もしも、この恋が叶うなら。
──それは叶わぬ思いのはずだった。
マルクス王朝では第一王子が公国の姫と婚約を結ぶことが決められている。
それは生まれる前から決まっていることなのだ。
本人たちの意思などは関係がない。
そしてそれは公国の姫に思いを寄せる者にとっては、どうしようもないことであった。
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