魂は柱の様に
弦楽器職人だった前世を持つヴィオラ。母を亡くした途端新しい家族を引き連れた父が戻ってきた。その日から、嫌な考えばかりが過る。見向きもしない父、贅沢好きな継母、愛らしい異母妹。住み慣れた屋敷が塗り替えられ、心の支えだった婚約者さえ離れてしまう未来を知っている気がする。説明できない不安が膨らみ、過ぎ去った音を求めてしまう。
あの方は、真っ直ぐでよく響く。
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