恋をしないと決めた日
世の中が腐っているのだから、
自分だって少しばかり腐ってたって
いいんではないかと僕は思う____。
2019年の夏。僕は"飛んだ"。
ここでの"飛んだ"という意味が空を飛ぶと言ったようなファンタジーに溢れたものであれば、この物語も少しは綺麗な話になっていたのかもしれない。
しかし、現実はそんなおとぎ話に優しくはない。
そう、ここでの"飛んだ"という意味は会社を"バックれた"という意味である。
そして、気づけば僕は途方に暮れるように冷房の効いた電車に揺られている。
埃っぽい匂い、冷房によって乾燥した空気、早送りをしているかのような車窓。
あれもそれもどれもが、この入社してからの約4ヶ月間で慣れ浸しんだ僕の世界だ。
降りるべき駅で降りず、そのまま二時間ほど電車に揺られ、自分をこの世ではない別の世界に連れて行ってくれることを願いながら、僕は自然と眠りについていた。
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