俳句しか取り柄のないおじさん、異世界で最下層に一句を贈っただけなのに、救われた者たちが世界の頂点に立って俺を探していた
何をやっても駄目だった。
仕事も続かない。人付き合いもできない。唯一の趣味の俳句すら、誰にも認められなかった。
そんな冴えない中年男が、気づけば異世界に落ちていた。
剣も魔法も使えない。金もない。言葉も通じない。
この世界でも、やっぱり最底辺だった。
ただ一つだけ、前と違うことがある。
男がふと詠んだ一句が、虐げられた者たちの魂を覚醒させてしまうのだ。
娼館に売られた少女。感情を殺した暗殺者。金に家族を奪われた少年。山賊に身を落とした女。毒に怯える王女。捨てられた少年兵。居場所のない半魔族。そして、加害者として生きてきた男。
救われた者たちは、それぞれの地獄から這い上がり、やがて世界の頂点に立つ。
聖職者の長、闇の王、経済の支配者、女帝、勇者、魔王――。
全員が、たった一人のおじさんを探している。
だがおじさん本人は気づいていない。
自分の言葉が何を起こしたのか。
なぜ世界の最強たちが、自分を「神」と呼ぶのか。
これは、祖母の愛に救われた一人の男が、
異世界でこぼれ落ちた者たちの魂を言葉で掬い上げ、
やがて世界そのものを慈悲で塗り替えていく物語。
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