読切短編 三十二回目の朝
消したかったのは、罪の記憶だけだった。
近未来、記憶修復手術を受けた男は、術後に一本の録音を再生する。語りかけてくる声は、どこか自分に似ている。
愛した人の笑い方。右頬の小さな窪み。失われていく断片を、声だけが繋ぎ止めようとする。
これは告白か。遺言か。それとも——毎朝繰り返される、終わらない祈りか。
語り手が「自分自身の未来」だと気づいた瞬間、物語の時間が静かに反転する。読み返すたびに、最初の一文の重さが変わる作品。
近未来、記憶修復手術を受けた男は、術後に一本の録音を再生する。語りかけてくる声は、どこか自分に似ている。
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