灰を喰う男

異能犯罪の現場には、必ず残滓(ざんさい)が残る。

灰のようなそれを喰うことで、犯行の瞬間だけを垣間見る男がいる。
特殊捜査室の四十三歳の古株、喰島鈍(くいしま にぶ)。

太った体に眠そうな目、やる気があるのかないのかもわからない男だ。

「異能犯罪は絶対に許さない」と誓って配属された二十三歳の新人女性捜査官・紅村律(べにむら りつ)には、理解できなかった。
なぜこの男は、もっと正義のために動かないのか。

連続放火事件を追ううちに、律は気づいていく。
この男が喰ってきた残滓の数だけ、飲み込んできた何かがあることを。

「……とまあ、昔話さ」
24h.ポイント 42pt
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