竜族への生贄かと思ったら、王子の愛妻になったのですが。
数百年前の戦いの末、竜族に膝を屈した人間の王は、復讐と屈辱の刃を逃れるために誓いを立てた。
「同じ年月に子が生まれたなら、竜族に差し出す」
約束は長い月日とともに忘れ去られ、伝説は霧のように薄れていった。
しかし、運命の歯車は静かに動き出す。
村娘・リア。控えめで純粋な少女が、竜族の少年・ギルフォードと奇跡的に同い年であることが発覚したのだった。
ギルフォードが成人を迎えるその日、リアは生贄として竜族の領域へと引き渡される運命に呑み込まれる。
「細っそ。骨ばっかじゃねぇかよ。俺の嫁になるっつーから、もうちょいマシかと思ってたわ」
だが、到着してから衝撃の真実が明らかに――竜族にとって、これは生贄ではなく、結婚による神聖な同盟の儀式だった。人間たちの誤解が、リアを不思議な運命へと投げ込む。
「け、けっ……結婚……!?」
リアの心は激しく揺さぶられる。竜族の誇り高き少年との未知の未来、儀式の重圧、他者との色恋、そして抑えきれぬギルフォードへの胸の高鳴り。
規約に縛られ、翻弄されるリアとギルフォード。
運命に抗い、真実の愛を見出すことができるのか。
※他媒体で【誰が為のアガペー】というタイトルで掲載しておりました。
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