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リザード視点
しおりを挟むリザードはつまらなかった。
皇太子という立場から、なかなか好きな彼女に会えずどうしたものかと考えている。
「………皇太子という立場が無ければなぁ……
。」
幼い時から、皇太子という立場のリザード。
弟も妹3人も居るが、弟妹の魔力は第三皇女アンジェリーク以外は人並だった為、歳の順でリザードが皇太子に着いている。
学生時代の時は幾分学友と遊べたのだが、公務に忙しい日々に学友との距離も離れている。
学生時代に知り合ったリザードの彼女、メルニアは下級貴族の娘で、魔力もそれ程強く無いが、波長も合っていて、リザードの魔力膨張も抑えられる女性だった。
しかし、会えるのも月一度程度。
よって、魔力膨張した時は本当に困り果てていた。
直ぐに会いに行けないので、時折後腐れない女を確保しなければならず、メルニアを思い出す度に、処理が上手い女を呼び出す事が頻繁だった。
お忍びでメルニアに会うと、最近別れを切り出されるリザード。
「………リザード様……もう辛いのです。下級貴族では、王宮に上がる事も出来ない、リザード様に会いに行けないのが辛い。………もう私に会いに来ないで下さい……。」
城下町の宿がメルニアとの逢瀬の場所だったリザード。
「もう少し待っていてくれメルニア。父上を説得はしているんだ。だが、正妃には反対されている……。側室になら、とも仰ったが、その前に正妃を迎えなければならなくなりそうなんだ。」
「………私では正妃になれる器ではないからですね…………。王宮で正妃や他の側室と寵を争わせるリザード様は酷です!!」
リザードの性処理の後、抱き締め合っているのにすれ違う気持ちが辛すぎて、メルニアは、リザードの腕を振り切り、宿を飛び出して行く。
「メルニア!!」
追いかける訳にはいかなかった。
リザードはそのまま頭を抱えた。
そして、行き着いたのは王位継承者第二位のアンジェリークの存在。
(…………アンジェが王位継承しても、反対意見は出ない筈だ………王位に合う上級貴族の独身者で誰か………キルスト…………あいつは、アンジェを気に入っていた。………身分も魔力も申し分ない。後は波長が合うかどうか………。掛けてみるか…………。)
そうして、リザードの計画からアンジェリークもキルストも利用されるのである。
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