[完]十六歳の妹の誕生日、私はこの世を去る。
宝石のように澄んだ青い髪をした伯爵令嬢、ルビア。
対極のような二人は姉妹。母親の違う。
お世辞にも美しいと言えない前妻の子供であるスカーレットは誰からも愛されない。
そばかすだらけで、笑顔が苦手な醜い姉。
天使のように愛らしく、誰からも好かれる可愛い妹。
生まれつき体の弱いルビアは長くは生きられないと宣告されていた。
両親の必死に看病や、“婚約者の献身的なサポート”のおかげで、日常生活が送れるようになるまで回復した。
だが……。運命とは残酷である。
ルビアの元に死神から知らせが届く。
十六歳の誕生日、ルビアの魂は天に還る、と。
美しい愛しているルビア。
失いたくない。殺されてなるものか。
それぞれのルビアを大切に思う想いが、一つの選択をさせた。
生まれてくる価値のなかった、醜いスカーレットを代わりに殺そう、と。
これは彼女が死ぬ前と死んだ後の、少しの物語。
他の人の感想で気になった言葉が出てきたから調べてみました。
阿鼻地獄……日本の地獄で一番重い罪を犯した人が落ちる地獄です。
なにしろ阿鼻地獄に行くまで二千年かかる上、その二千年……ずっと体を地獄の業火で焼かれ続けるのだから((⛄️))
二千年も焼かれ続けたら亡者の体はとっくに黒焦げ→骨→灰になってるんじゃないかと思うが、たぶん【《地獄特典》で全身火傷→体元通り→全身火傷をエンドレスで繰り返してる】のかも?
いや……他の地獄で刑に服してる亡者が獄卒(鬼)に殺害→蘇生→殺害をエンドレスで繰り返してるので読者《伯爵夫妻とバカップルは生きたままこれをやる羽目になるのかなぁ》と思いました。
普通は生者じゃなくて亡者が落ち続けるのだけど……😥
この地獄を作った人、亡者が何を嫌がって何をすると辛くて苦しいのか分かって作ってるよね。
阿鼻地獄の怖いところは落ちたら落ちたで刑期が4億2000万年で、行きの火炙りよりもっと悲惨な刑罰が待っていること。
なので伯爵夫妻&バカップル、頑張って刑に服せよ😈
《妄想劇場・仕立屋Side》
“一仕事”を終えたアシスタント達を下がらせ、椅子に深く座る。
(前の奥様が生きていた頃からいけ好かない女だったけど、主人が替わったらよりひどくなったわね)
上の者には媚びへつらい、下の者は蔑むのが正義と言わんばかりの態度。
そりゃあ、商売をやっていれば色んなお客様がいる。多少むかつく相手でも、自分と従業員、取引先の暮らしを守るためには、付き合いを続けなければならない場合もある。
ただし、ものには限度がある。“今の”ジュエール家の価値は底値を軽く突き抜けた。
寸法を取るアシスタント達の揚げ足を取り、悪し様に罵る。
一応、“後妻のお嬢様”が窘めていたが……窘められた使用人達に賞賛されるのが気持ちいい様子が透けて見えた。
『できれば上のお嬢様の寸法も』
そう零した後の“奴ら”は――人殺しも辞さない凶相だった。
「あそことはここまでね……」
閉じた瞼に、遠い日の思い出を浮かべる。
穏やかな女主人と、少し人見知りだが、優しい笑顔見せてくれるお嬢様。どちらも赤い髪とそばかすが特徴的だった。
『娘のアフタヌーンドレスもあなたにお願いしたいの』
『是非! できればお嬢様のデビュタントもうちで。最高のドレスを仕立てますわ』
交わした約束は、もう叶わない。
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