浮世の恋華、筆先で濡れる~売れっ子絵師と花魁の秘め事~【完結】
時は江戸。絢爛豪華な嘘で塗り固められた遊郭・吉原。
その頂点に君臨する最高位の花魁(おいらん)・薄雲(うすぐも)は、とうに真心など捨てたと心を偽り、夜ごと男たちの夢を売っていた。
そんな彼女のもとに現れたのは、今をときめく浮世絵師・海斗(かいと)。
彼に課せられたのは、薄雲をモデルとした“春画”を描くこと。
肌を晒すことには慣れていたはずの薄雲。しかし、他の男たちとは違い、欲望ではなく真摯な眼差しを向ける海斗に、固く閉ざしたはずの心が揺らぎ始める。
「俺が描きたいのは、あなたの魂だ」
彼の筆先(指先)がなぞるのは、肌の輪郭か、心の痛みか。
衣を剥ぐより雄弁なその筆致に、薄雲は今まで知らなかった“本当の快感”と“涙”の意味を知っていく。
これは、嘘と本音が入り混じる廓(くるわ)で、絵筆を通して魂を求め合う、絵師と花魁の切なくも艶やかな恋物語。
「あんたの筆で…わっちの“痛み”とやらを、教えておくんなんし…」
興奮して抜いたはずなのに、なぜか胸が締め付けられる。
そんな“エモとエロ”が融合した、一夜限りの逢瀬(おうせ)が、幕を開ける。
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