北王帰還 ――追放された公爵令息は、二十年後に故国を征服する
王太子の幼馴染として、その側近を務めていた公爵令息アルベルト。美しい侯爵令嬢との婚約も決まり、親友である王太子を支えながら生きていく――そんな未来を疑ったことはなかった。
だがある日、王太子から反逆の冤罪を着せられ、公爵家は爵位も領地も財産も奪われ、一族そろって国外追放となる。信じてほしいと願った婚約者さえ、最後には彼を信じなかった。
流れ着いたのは、王国が「蛮族」と蔑む北方の地。そこで族長の娘フレイヤと出会ったアルベルトは、新たな家族を得て、戦い、働き、民を治めながら、二十年をかけて北方諸部族をまとめ上げていく。
一方、かつての王太子は父王を毒殺して王位を奪い、古くからの重臣を次々と排除し、王国を独裁によって疲弊させていた。
そして二十年後、アルベルトのもとへ届けられる、かつての冤罪を証明する記録。
追放された公爵令息は、もはや一人の亡命者ではなかった。
数万の軍勢と一つの国を背負う「北王」となった男は、すべてを奪った故国へ南征を開始する。
これは復讐のためだけに強くなった男の物語ではない。
別の人生を生きた二十年間が、結果として祖国を滅ぼせるほどの王を作り上げてしまった――裏切りと復讐、征服、そして再建を描く異世界歴史ドラマ。
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