『声の届かない部屋』

フリーライターの咲良(さくら)は、引っ越したばかりのワンルームで奇妙な現象に気づく。
夜、壁越しに「自分と同じ声」が誰かと話しているのだ。
仕事の独り言を盗み聞かれているような気がして録音を試みるが、
録音された音声には、彼女が一度も発したことのない“別の会話”が残っていた。

「……ねぇ、こっちは本物の咲良なんだよ」

やがて、彼女のスマートスピーカーやパソコンにも、
その“もう一人の咲良”が侵入していく。
違うのは、その声の方が、人の温もりを帯びているということ――。
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