【完結】贋作と断じた男へ、今日本物の色で塗り替えてやる 〜追放された修復士を、本物と断言した男が手放してくれない〜
壊れたものを甦らせるのが、私の仕事だ。でも誰が、私を修復してくれるのか。
祖父の代から続く修復工房を継いだ篠宮澪には、壊れた絵が「呼吸」しているのが分かる。傷んだ色、歪んだ筆致、剥落した金箔。どれだけ傷ついていても、本物はかならず本物の声を持っている。
しかし祖父の遺した幻の浮世絵が「贋作」と断定された日、澪の世界は崩れた。
鑑定したのは、美術業界の権威にして元交際相手の黒瀬誠司。澪との交際中に盗み取った技術と知識を武器に、祖父の名誉を地に落とし、工房を閉鎖に追い込んだ男。
業界を追われ、行き場を失った澪の前に現れたのは、文化財保護財団の理事長・久我隼だった。
「その絵は、本物だ」
誰も信じなかった一言を、この男だけが言った。
腕を買われ、久我財団の専属修復士として再起した澪は、祖父の絵の真贋を証明するために動き始める。壊れたものを甦らせるのが私の仕事なら、壊された真実も、本物の色で塗り替えてやる。
――贋作と断じたあの男へ。返事は、筆で送る。
祖父の代から続く修復工房を継いだ篠宮澪には、壊れた絵が「呼吸」しているのが分かる。傷んだ色、歪んだ筆致、剥落した金箔。どれだけ傷ついていても、本物はかならず本物の声を持っている。
しかし祖父の遺した幻の浮世絵が「贋作」と断定された日、澪の世界は崩れた。
鑑定したのは、美術業界の権威にして元交際相手の黒瀬誠司。澪との交際中に盗み取った技術と知識を武器に、祖父の名誉を地に落とし、工房を閉鎖に追い込んだ男。
業界を追われ、行き場を失った澪の前に現れたのは、文化財保護財団の理事長・久我隼だった。
「その絵は、本物だ」
誰も信じなかった一言を、この男だけが言った。
腕を買われ、久我財団の専属修復士として再起した澪は、祖父の絵の真贋を証明するために動き始める。壊れたものを甦らせるのが私の仕事なら、壊された真実も、本物の色で塗り替えてやる。
――贋作と断じたあの男へ。返事は、筆で送る。
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