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王宮のお茶会
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辺境の地は王都から離れているが獣人は皆、魔力が強いらしく、移動魔法が使える。今日はローゼ姉様のお茶会に呼ばれ、王宮に来た。
もちろんディート様も一緒だ。
招待客はローゼ姉様が仲良くしている方々だ。
次の大きな夜会で私のお披露目をするらしいが、その前に内々に紹介してくれるそうだ。
「大丈夫かな? ドキドキしてるわ」
「俺がついてる」
ディート様は私の手をしっかり握る。
私の姿を見つけローゼ姉様が駆け寄ってきた。
「エル、よく来てくれたわ。ラメルテオンは大変だったわね。でも仕方ないし、これからの方が良くなるわよ」
「お招きありがとうございます。あっという間に情勢がかわってしまったので驚いてます。私もまさかゾニサミド王国で婚約するなどと夢にも思ってませんでしたわ」
「そうなの? 私はエルがうちに来たいと言った時にすぐにディートヘルム卿とくっつけようと思ったわ」
えっ? そうなのか?
「でもまさか番だったとはね」
ローゼ姉様はふふふと楽しそうに微笑んでいる。
「エル様。お久しぶりね」
「おぅ、元気そうだな」
エアハルト様とリサ様だ。
お茶会というので女性ばかりだと思っていたが男性もまぁまぁいる。
戸惑っている私を見て、リサ様がクスッと笑った。
「この国は番がいる人はだいたいニコイチなのよ。番は滅多に離れないの。エル様もディート様とくっついているでしょ?」
そういえばくっついている。
リサ様はまだクスクス笑っている。
私はあれからのラメルテオンの話をエアハルト様から聞いた。
心配なのはカール様の事だ。王家がなくなったらどうなるのだろう?
「カール様はどうなったのですか?」
エアハルト様は表情を変えずに淡々と話す。
「うん、今は元王家の直轄地にいる。魅了にかかったばかりにエルが死んだと知り、心を壊して記憶がなくなっているらしいんだ。元王妃が側で世話をしているそうだ。セフォチアムの属国になって、王家はラメルテオン公爵家になったし、領地もある。後継のカールがあんなだから一代限りかもしれんがな」
「そうなのですね。まぁ、生活に困らないのであれば安心しました。カール様は生活力ないですものね。ただ私のせいで心を壊したみたいで辛いですわ」
「別にエルのせいじゃないよ。エルは頑張ったってテオやペネロペが言ってたよ」
そうだよ。私は頑張ったものね。ただあの国は寿命だっただけよね。
ふと気がついて顔を上げると目の前のディート様は不機嫌な顔で私を見ている。
それを見たエアハルト様はくくくと笑っている。
「エル、獣人は愛が重くて深いんだ。他の男の心配なんかしないことだな。もし、カールハインツが暗殺されたら犯人は絶対ディートだろう」
もう、怖い事を言わないでほしい。
話を変えるようにリサ様が前に出た。
「今度の魔獣の征伐と瘴気の浄化はエル様も一緒に行くの? ハードだけど大丈夫?」
どうなんだろう? まだそんな話はしていない。
ローゼ姉様はふふふと微笑みながら、私の肩に手を置いた。
「エルは強いから大丈夫よ。冒険者ギルドにもS級で登録しているわ」
その声にお茶会に来ているメンバーはざわめいた。
「もちろん一緒に行くが、エルを危険な目に遭わすつもりはない。魔獣は俺が倒し、エルには瘴気の浄化をしてもらおうと思っている。エルは俺が守る」
一緒に来ているディート様はそう言いながら私の腰に手をやりグッと寄せた。
守るなんて言われたら嬉しくてヘラヘラしてしまうわ。
S級の冒険者という看板が功を奏したようで、私はこの国の王太子妃のお友達に受け入れられたようだった。
もちろんディート様も一緒だ。
招待客はローゼ姉様が仲良くしている方々だ。
次の大きな夜会で私のお披露目をするらしいが、その前に内々に紹介してくれるそうだ。
「大丈夫かな? ドキドキしてるわ」
「俺がついてる」
ディート様は私の手をしっかり握る。
私の姿を見つけローゼ姉様が駆け寄ってきた。
「エル、よく来てくれたわ。ラメルテオンは大変だったわね。でも仕方ないし、これからの方が良くなるわよ」
「お招きありがとうございます。あっという間に情勢がかわってしまったので驚いてます。私もまさかゾニサミド王国で婚約するなどと夢にも思ってませんでしたわ」
「そうなの? 私はエルがうちに来たいと言った時にすぐにディートヘルム卿とくっつけようと思ったわ」
えっ? そうなのか?
「でもまさか番だったとはね」
ローゼ姉様はふふふと楽しそうに微笑んでいる。
「エル様。お久しぶりね」
「おぅ、元気そうだな」
エアハルト様とリサ様だ。
お茶会というので女性ばかりだと思っていたが男性もまぁまぁいる。
戸惑っている私を見て、リサ様がクスッと笑った。
「この国は番がいる人はだいたいニコイチなのよ。番は滅多に離れないの。エル様もディート様とくっついているでしょ?」
そういえばくっついている。
リサ様はまだクスクス笑っている。
私はあれからのラメルテオンの話をエアハルト様から聞いた。
心配なのはカール様の事だ。王家がなくなったらどうなるのだろう?
「カール様はどうなったのですか?」
エアハルト様は表情を変えずに淡々と話す。
「うん、今は元王家の直轄地にいる。魅了にかかったばかりにエルが死んだと知り、心を壊して記憶がなくなっているらしいんだ。元王妃が側で世話をしているそうだ。セフォチアムの属国になって、王家はラメルテオン公爵家になったし、領地もある。後継のカールがあんなだから一代限りかもしれんがな」
「そうなのですね。まぁ、生活に困らないのであれば安心しました。カール様は生活力ないですものね。ただ私のせいで心を壊したみたいで辛いですわ」
「別にエルのせいじゃないよ。エルは頑張ったってテオやペネロペが言ってたよ」
そうだよ。私は頑張ったものね。ただあの国は寿命だっただけよね。
ふと気がついて顔を上げると目の前のディート様は不機嫌な顔で私を見ている。
それを見たエアハルト様はくくくと笑っている。
「エル、獣人は愛が重くて深いんだ。他の男の心配なんかしないことだな。もし、カールハインツが暗殺されたら犯人は絶対ディートだろう」
もう、怖い事を言わないでほしい。
話を変えるようにリサ様が前に出た。
「今度の魔獣の征伐と瘴気の浄化はエル様も一緒に行くの? ハードだけど大丈夫?」
どうなんだろう? まだそんな話はしていない。
ローゼ姉様はふふふと微笑みながら、私の肩に手を置いた。
「エルは強いから大丈夫よ。冒険者ギルドにもS級で登録しているわ」
その声にお茶会に来ているメンバーはざわめいた。
「もちろん一緒に行くが、エルを危険な目に遭わすつもりはない。魔獣は俺が倒し、エルには瘴気の浄化をしてもらおうと思っている。エルは俺が守る」
一緒に来ているディート様はそう言いながら私の腰に手をやりグッと寄せた。
守るなんて言われたら嬉しくてヘラヘラしてしまうわ。
S級の冒険者という看板が功を奏したようで、私はこの国の王太子妃のお友達に受け入れられたようだった。
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