「わかれよう」そうおっしゃったのはあなたの方だったのに。
侯爵夫人のマリエルは、夫のジュリウスから一年後の離縁を提案される。
あと一年白い結婚を続ければ、世間体を気にせず離婚できるから、と。
ジュリウスにとっては亡き父が進めた政略結婚、侯爵位を継いだ今、それを解消したいと思っていたのだった。
「君にだってきっと本当に好きな人が現れるさ。私は元々こうした政略婚は嫌いだったんだ。父に逆らうことができず君を娶ってしまったことは本当に後悔している。だからさ、一年後には離婚をして、第二の人生をちゃんと歩んでいくべきだと思うんだよ。お互いにね」
「わかりました……」
「私は君を解放してあげたいんだ。君が幸せになるために」
そうおっしゃるジュリウスに、逆らうこともできず受け入れるマリエルだったけれど……。
勘違い、すれ違いな夫婦の恋。
前半はヒロイン、中盤はヒーロー視点でお贈りします。
四万字ほどの中編。お楽しみいただけたらうれしいです。
※本編はマリエルの感情がメインだったこともあってマリエル一人称をベースにジュリウス視点を入れていましたが、番外部分は基本三人称でお送りしています。
あと一年白い結婚を続ければ、世間体を気にせず離婚できるから、と。
ジュリウスにとっては亡き父が進めた政略結婚、侯爵位を継いだ今、それを解消したいと思っていたのだった。
「君にだってきっと本当に好きな人が現れるさ。私は元々こうした政略婚は嫌いだったんだ。父に逆らうことができず君を娶ってしまったことは本当に後悔している。だからさ、一年後には離婚をして、第二の人生をちゃんと歩んでいくべきだと思うんだよ。お互いにね」
「わかりました……」
「私は君を解放してあげたいんだ。君が幸せになるために」
そうおっしゃるジュリウスに、逆らうこともできず受け入れるマリエルだったけれど……。
勘違い、すれ違いな夫婦の恋。
前半はヒロイン、中盤はヒーロー視点でお贈りします。
四万字ほどの中編。お楽しみいただけたらうれしいです。
※本編はマリエルの感情がメインだったこともあってマリエル一人称をベースにジュリウス視点を入れていましたが、番外部分は基本三人称でお送りしています。
あなたにおすすめの小説
【短編】もう、どうでもよくなったので
伯爵令嬢のレイチェルは婚約者のレオルドと長年不仲だった。
理由は簡単で彼が生徒会長であるアリアナ王女に対し日も夜もなく焦がれ続けているからだ。
将来彼女の護衛騎士を目指す彼は、レイチェルと二人でいる時も王女に夢中だった。それは恋では無いらしいが、だからといって許容できるわけではない。
婚約者である自分のことも大切にして欲しい、そうレイチェルはレオルドに訴え続けたが彼が頷くことは無かった。だからこそ不仲だったのだ。
けれど最近のレイチェルは機嫌がよく、レオルドと喧嘩することも無い。
レオルドもそんな婚約者に満足げだった。
だから口にした「いつもこうならお前と結婚しても上手くやれそうだ」
レイチェルはにこやかに答えた「そんな未来はございませんわ」
死にゆく私に「愛さない」と誓った旦那様。約束通り、私は貴方を愛したまま、貴方の知らない場所で死んであげます。
「君を愛することはない」冷酷な公爵の言葉に、余命僅かなエリスは安堵した。愛されなければ、私の死で彼を傷つけることはない。彼女は彼を深く愛したまま、その心を隠して彼から逃亡する。一人静かに息を引き取るために。しかし彼女の死は、公爵の狂おしい後悔と執着を呼び覚ましてしまう。決して交わらない二人の、結末。
『お前が運命の番だなんて最悪だ』と言われたので、魔女に愛を消してもらいました
竜族の王子フェリクスの成人の儀で、侯爵令嬢クロエに現れたのは運命の番紋。けれど彼が放ったのは「お前が番だなんて最悪だ」という残酷な言葉だった。
異母妹ばかりを愛する王子、家族に疎まれる日々に耐えきれなくなったクロエは、半地下に住む魔女へ願う。「この愛を消してください」と。
恋も嫉妬も失い、辺境で静かに生き直そうとした彼女のもとに、三年後、王宮から使者が現れる。異母妹の魅了が暴かれ、王子は今さら真実の愛を誓うが、クロエの心にはもう何も響かない。愛されなかった令嬢と、愛を取り戻したい竜王子。番たちの行く末は――。
憧れの人と結婚しましたが夫は離縁を望んでいるようです
スピカは、政略結婚により、かねてから憧れていたアーク・トゥールズ次期辺境伯の元へ嫁いだ。
しかし、夫となったアークは、スピカに白い結婚を望む。
そんな中、二人の共通の友人、デネが訪ねてきたことで、意外な事実が判明する――。
*カクヨム(修正前)にも投稿しています。小説家になろうにも投稿予定です。
【完結】結婚式前~婚約者の王太子に「最愛の女が別にいるので、お前を愛することはない」と言われました~
挙式が迫るなか婚約者の王太子に「結婚しても俺の最愛の女は別にいる。お前を愛することはない」とはっきり言い切られた公爵令嬢アデル。しかしどんなに婚約者としてないがしろにされても女性としての誇りを傷つけられても彼女は平気だった。なぜなら大切な「心の拠り所」があるから……。しかし、王立学園の卒業ダンスパーティーの夜、アデルはかつてない、世にも酷い仕打ちを受けるのだった―― ※神視点。■なろうにも別タイトルで重複投稿←【ジャンル日間4位】。
【完結】私の出産日に初恋の人を選んだ夫、あなたを彼女に返品します
「子供っぽい嫉妬はやめろ」私が命懸けで出産した日、夫のヴィンセント侯爵は初恋の人の所へ行ってしまった。理由を説明して欲しいと言うと、子供っぽい嫉妬をやめろと厳しい声で言われてしまう。しかも初恋の相手がいきなりやってきて「侯爵様は昔から私を命懸けで助けてくれるんです」と悪びれもせずに言い放った。妻よりも初恋相手を優先する夫は必要ないので私は夫を初恋相手へ返品した。すると生まれてから一度も人に頭を下げたことのないヴィンセントが、ボロボロになって私に頭を下げてきて⋯⋯。
「君を愛することはない」なら、私も愛する必要などありませんよね?
「私は君を愛することはできない。それだけは、今この瞬間にしっかりと覚えておいてくれ」
私は動かなかった。
ただ、静かに彼を見つめ返した。
私の沈黙を「絶望」と受け取ったのか、ヴィルフリートは鼻で笑い、部屋の隅にある一人掛けのソファに深く腰掛けた。
「この婚姻が、親同士が勝手に決めた政略結婚であることは君も知っているだろう。我が侯爵家は、一時の財政難により、君の実家であるローゼンタール公爵家の財力を必要とした。だが、それだけだ。私が心から愛し、生涯を誓った女性は、他にいる」
彼が口にした「他にいる女性」とは、社交界でも噂になっている男爵令嬢のこと。
名前は確か、ミリア。
儚げで、守ってあげたくなるような、庇護欲をそそる令嬢だと聞いている。
「今夜は別の部屋で休む。明日からは、互いに干渉しない生活を始めよう」
バタン、と大きな音がして、扉が閉まった。
その瞬間、私の心は決まった。
ログインすると感想の投稿ができます。