純心パラドックス

 もし、自分が好きになった相手が――身近な存在だとしたら?
 それが手の届かない存在で……好きになってはいけない相手だと判った時、どんな選択肢が残るだろう。
 両親の仕事の都合で、俺たち兄弟は一つ屋根の下、二人暮らしをしている。
 兄の日景。そして俺が弟の日向。互いに顔だけはそっくりなのに、性格はまるで正反対。
 日向はお人好しで誰にでも優しい。そんな姿に苛立ち――だからつい、したくもない喧嘩ばかりしてしまう。
 けれど、その日は違っていた。
 一方的に喧嘩をして学校で別れるまではいつものこと。
 なのに、同じ部活の友人から日向が告白されていたなんて話を聞いてしまったのがいけなかった。
「神様、頼むよ……」
 自分ではどうしようもない感情が、想いが、ただただ胸を締め付ける。
「どうか、この想いを消してくれ……」
 気づかないままでいさせて欲しいと神様に願った筈なのに――目を覚ますと何故か互いの身体が入れ替わっていた。
 
 朝の出会いはサイアク。入れ替わった理由も原因不明。気まぐれな神様の悪戯だとしたらタチが悪い……!
 そんなこんなで、入れ替わった身体のまま過ごすことになった秋の休日。
 戸惑いと苛立ちを互いにぶつけ合いながら、押し込めていた本心(おもい)を暴露した瞬間、
「日向のこと、もっと教えて」
 迫ってくる日景の言葉に抗えなくなった俺は思い知らされる。
 日景も俺のことをどう想っていたのかを……。
 
 双子(きょうだい)どうしの入れ替わり。相反する想いの先に生まれるパラドックスとは――?
24h.ポイント 0pt
0
小説 220,374 位 / 220,374件 BL 30,670 位 / 30,670件

あなたにおすすめの小説

邪神の祭壇へ無垢な筋肉を生贄として捧ぐ

BL
世間に秘された名門男子校・平坂学園体育科 空手の名選手であった高尾雄一は、新任教師として赴任する 高潔な人格と鋼のように鍛えられた肉体 それは、学園にとって最高の生贄の候補に他ならなかった 至高の筋肉を持つ、精神を削られ意志をなくした青年を太古の神に捧げるため、“水”、“風”、“土”の信奉者達が暗躍する 意志をなくし筋肉の操り人形と化した“デク” 消える教師 山奥の男子校で繰り広げられるダークファンタジー

久々に幼なじみの家に遊びに行ったら、寝ている間に…

しゅうじつ
BL
俺の隣の家に住んでいる有沢は幼なじみだ。 高校に入ってからは、学校で話したり遊んだりするくらいの仲だったが、今日数人の友達と彼の家に遊びに行くことになった。 数年ぶりの幼なじみの家を懐かしんでいる中、いつの間にか友人たちは帰っており、幼なじみと2人きりに。 そこで俺は彼の部屋であるものを見つけてしまい、部屋に来た有沢に咄嗟に寝たフリをするが…

夫婦交換

山田森湖
恋愛
好奇心から始まった一週間の“夫婦交換”。そこで出会った新鮮なときめき

年越しチン玉蕎麦!!

ミクリ21
BL
チン玉……もちろん、ナニのことです。

上司、快楽に沈むまで

赤林檎
BL
完璧な男――それが、営業部課長・**榊(さかき)**の社内での評判だった。 冷静沈着、部下にも厳しい。私生活の噂すら立たないほどの隙のなさ。 だが、その“完璧”が崩れる日がくるとは、誰も想像していなかった。 入社三年目の篠原は、榊の直属の部下。 真面目だが強気で、どこか挑発的な笑みを浮かべる青年。 ある夜、取引先とのトラブル対応で二人だけが残ったオフィスで、 篠原は上司に向かって、いつもの穏やかな口調を崩した。「……そんな顔、部下には見せないんですね」 疲労で僅かに緩んだ榊の表情。 その弱さを見逃さず、篠原はデスク越しに距離を詰める。 「強がらなくていいですよ。俺の前では、もう」 指先が榊のネクタイを掴む。 引き寄せられた瞬間、榊の理性は音を立てて崩れた。 拒むことも、許すこともできないまま、 彼は“部下”の手によって、ひとつずつ乱されていく。 言葉で支配され、触れられるたびに、自分の知らなかった感情と快楽を知る。それは、上司としての誇りを壊すほどに甘く、逃れられないほどに深い。 だが、篠原の視線の奥に宿るのは、ただの欲望ではなかった。 そこには、ずっと榊だけを見つめ続けてきた、静かな執着がある。 「俺、前から思ってたんです。  あなたが誰かに“支配される”ところ、きっと綺麗だろうなって」 支配する側だったはずの男が、 支配されることで初めて“生きている”と感じてしまう――。 上司と部下、立場も理性も、すべてが絡み合うオフィスの夜。 秘密の扉を開けた榊は、もう戻れない。 快楽に溺れるその瞬間まで、彼を待つのは破滅か、それとも救いか。 ――これは、ひとりの上司が“愛”という名の支配に沈んでいく物語。

チョコのように蕩ける露出狂と5歳児

ミクリ21
BL
露出狂と5歳児の話。

皇帝陛下の精子検査

雲丹はち
BL
弱冠25歳にして帝国全土の統一を果たした若き皇帝マクシミリアン。 しかし彼は政務に追われ、いまだ妃すら迎えられていなかった。 このままでは世継ぎが産まれるかどうかも分からない。 焦れた官僚たちに迫られ、マクシミリアンは世にも屈辱的な『検査』を受けさせられることに――!?

俺達の関係

すずかけあおい
BL
自分本位な攻め×攻めとの関係に悩む受けです。 〔攻め〕紘一(こういち) 〔受け〕郁也(いくや)