災厄級の魔物、日替わり定食にしました ~捨てられる食材で大繁盛、辺境食堂から町ごと成り上がる~
客の来ない辺境の食堂に、災厄級《凍焔の暴食竜》の死骸が運び込まれた。
誰も手を出さないその肉を、料理人ラウデルは今日の仕入れにする。
外からの火では硬いままの「火喰い喉笛」は、溜め込んだ熱で内側から蒸し上げる。卓に垂らせば湯気が立つ「焔脂油」を添えた一皿が、凍えた客の手を温め、閑古鳥の店に最初の銀貨を呼び込んだ。
凍りつく胃袋、沈む肝、加熱から十分で爆ぜる尻尾。癖の強い部位ほど、誰も知らない名物に化ける。
魔物採集人が部位を仕入れ、市場の女将が売り方と量産を仕切り、食品監察官が提供の可否を見極める。占術師の少女が示すのは、機会が訪れる「時と場所」だけ。料理の答えは、ラウデル自身が鍋の中で見つけるしかない。
処分代で稼ぎ、買い取り価格で競り合い、独占を狙う解体ギルドと渡り合う。目指すは、事故で閉ざされた災厄級の解体場――大工房。
町じゅうを巻き込む大調理で、第一部は完結。黒板の品書きは、第二部でさらに増えていく。
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