行き当たりAI選択譚
目が覚めたとき、俺は「魔法陣」の上に寝かされていた。
ただし、それは俺の知ってるファンタジーのそれとは違う。
円は完璧な同心円で、刻まれているのはルーン文字じゃない――数式だった。
「意識回復。脳波安定。転移成功率、98.7%」
白衣を着た少女が、タブレットのような板を操作しながら淡々と言う。
……いや、ちょっと待て。
「ここ、どこだ?」
「中央魔導工学研究所。あなたは異世界転移実験の被験体として召喚されました」
さらっととんでもないことを言われた。
しかも“魔導工学”?
嫌な予感がして周囲を見渡すと――
巨大な装置が並び、空中にはホログラムのように魔法式が浮かび、
人々は詠唱の代わりにキーボードを叩いている。
「この世界では、魔法はすべて数式で記述されます。詠唱は非効率なので廃れました」
終わってる。
いや、始まってるのかもしれないが、俺の知ってる“ロマン”は死んでいる。
「例えば火球魔法なら」
少女が指を弾くと、空中に式が展開される。
エネルギー変換効率、熱量、圧縮率、空間座標――
それらが一瞬で計算され、誤差0.02%の完璧な火球が生成された。
「威力調整、範囲制御、自己誘導も可能です」
「それもう兵器だろ」
「はい、軍事転用されています」
夢も希望もねえ。
だが次の瞬間、少女はじっと俺を見た。
「ただし、あなたは例外です」
「は?」
「この世界の人間は、魔力を“計算”でしか扱えません。しかしあなたは――」
彼女は俺の胸に手を当てる。
「非数式領域の魔力反応を持っています」
つまり。
「俺だけ、詠唱とかイメージで魔法が使えるってことか?」
「はい。再現不能な“直感的魔法”。この世界では失われた技術です
ただし、それは俺の知ってるファンタジーのそれとは違う。
円は完璧な同心円で、刻まれているのはルーン文字じゃない――数式だった。
「意識回復。脳波安定。転移成功率、98.7%」
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……いや、ちょっと待て。
「ここ、どこだ?」
「中央魔導工学研究所。あなたは異世界転移実験の被験体として召喚されました」
さらっととんでもないことを言われた。
しかも“魔導工学”?
嫌な予感がして周囲を見渡すと――
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終わってる。
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「は?」
「この世界の人間は、魔力を“計算”でしか扱えません。しかしあなたは――」
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