ムスビ
「そこは、地図からも、人の記憶からも、消されるべき場所だった――」
心霊サークル「黄昏の探究者」の大学生4人が辿り着いたのは、深い霧に包まれた廃村・久遠村。
村の至る所で見つかる、目鼻立ちのない「ねじれた木像」と、異様な幾何学模様。
一度足を踏み入れたら最後、道はループし、時間さえも狂い始める。
そこで出会った二人のオカルトマニア。彼らの正体が明かされるとき、本当の地獄が幕を開ける。
無事に帰還したはずの彼らを待っていたのは、平穏な日常ではなく、
静かに、確実に、自分たちの「身体」と「精神」をねじり、侵食していくあの村の影だった。
――ねぇ、あなたも「ムスビ」の仲間にならない?
心霊サークル「黄昏の探究者」の大学生4人が辿り着いたのは、深い霧に包まれた廃村・久遠村。
村の至る所で見つかる、目鼻立ちのない「ねじれた木像」と、異様な幾何学模様。
一度足を踏み入れたら最後、道はループし、時間さえも狂い始める。
そこで出会った二人のオカルトマニア。彼らの正体が明かされるとき、本当の地獄が幕を開ける。
無事に帰還したはずの彼らを待っていたのは、平穏な日常ではなく、
静かに、確実に、自分たちの「身体」と「精神」をねじり、侵食していくあの村の影だった。
――ねぇ、あなたも「ムスビ」の仲間にならない?
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