ひょんなことから、憧れの辺境伯家とご縁が出来ました。
アバスカル侯爵家の次女カシルダは、武を貴び、特に魔物が横行するなか隣国との国境も護る辺境の騎士を、大変に尊敬している。
それは、グラナド辺境伯家の騎士の戦いぶりを見た時からのことで、親友で王女であるアンドレアや家族など、周りの人間は皆そのことを知っており、自ら鍛錬に励むカシルダを応援もしていた。
そんなある日、グラナド辺境伯家の騎士が王都へ来ると聞き、胸躍らせて待っていたカシルダだが、急遽、グラナド辺境伯家の騎士ではなく、その手前に領地を持つセグロラ侯爵家の騎士が来ることになったと聞かされる。
それでも、辺境に近い領地の騎士なのだからと期待するも、その騎士は最弱であっただけでなく、わざわざ王都まで来てやった自分に忖度しないなど有り得ないと宣ったうえ、王女であるアンドレアを本物と見抜けず、王家を名乗る不届き者として切り伏せようとした。
更に驚くべきことに、国王は、そのセグロラ侯爵家に嫁ぐことこそ良縁、とカシルダに薦めて来る。
怒り心頭の両親をなだめ『きっと、相手方は私を認めないのだから』と、相手の家が自分を嫁と認めない場合、即時婚約は白紙撤回されるという書類を国王よりもぎ取り、カシルダは、幌馬車一台、侍女ひとり、護衛ひとりという陣営で、セグロラ侯爵領へ向け、旅立つ。
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