104 / 255
何をしているのでしょう?
しおりを挟む
色々あったが、1年が経った。
私は王立フルシーネア学園・高等部2年となった。
そして今、私は学園の敷地内にある研究棟に居る。
昨年国から下賜されたものだ。
研究棟は10階、地下も2階ある。
(正直、研究棟を見た時は驚いたよ。これほどの高さ、絶対にいらないと思った。でも……)
現在、地下合わせ12階全てを有効的に使用していた。
結局は使っている、という事だ。
各階に研究課題を定め、進めている。
課題の内容は、それぞれの系統の魔法研究である。
攻撃系・防御系・空間系など色々だ。
私の助手にはディルジアがいるのだが、その他十数人、研究員として手伝ってくれている。
学園の生徒達なのだが、是非研究棟で私の手伝いがしたいと言われたのだ。
断る理由もないので承諾した。
(本当は50人近く私の所へ来たのだけれど、そんな人数で迫られても困るから、魔法の腕・素質を見極めて引き抜いたんだよね…。)
そのせいか、今や研究棟に出入りする者はある意味特別扱いをされた。
『学園が』特別扱いをしている訳では無いが、生徒達の間ではそうなっていた。
分かりやすい部分で言うと、廊下を歩く際に他の生徒が道を譲る。
避けられているのではなく、好意で道を譲ってくれているようだった。
(目を輝かせて見られるのも、いい加減うんざりしてきたよ……。さて、それはおいておくとして、何?この状況。)
研究棟最上階。
私専用の階だ。
その他の者が入るには、私かディルジアと共に入らなければならない。
そして眼前では、攻略対象5人&ユリエル達令嬢3人が、楽しそうに談笑している。
(ここ、私の研究室だよね?もう1回言っておこう。何?この状況。研究捗りませんけど?!)
私が他の階の研究状況を確認してまわっている間に、ディルジアが招き入れていたようだ。
「おっ、ヴァリフィアが来ましたよ。」
エフェンが私の姿に気付き、皆に知らせた。
一斉に私の方を振り向く。
「ヴァリフィア、貴女も一緒に。」
「殿下……何をなされているので?それに研究員以外は、この棟に入れないでしょう?」
「それなら、私がこっそりと連れてきましたよ。他の研究員達に見つからないようにね。見つかると厄介な事になりそうですし。」
「はぁ~。厄介な事になると分かっておられるのでしたから、もう少し考えて行動して下さい。研究も進まないではありませんか。」
「あの…ヴァリフィア様。お邪魔……でしょうか…。」
ミエラが放った言葉を聞いて、皆は押し黙る。
それも俯き加減で。
何だかこちらが申し訳なくなってくる。
「気にしないで。元はと言えば、殿下がなさった事だから。」
「え、私のせいですか?」
「無論です。それ以外ないでしょう?」
(何を惚けているのやら。ディルジアが原因以外にないでしょうが!)
結局、この日は研究をせずに会話を楽しんだのだった。
私は王立フルシーネア学園・高等部2年となった。
そして今、私は学園の敷地内にある研究棟に居る。
昨年国から下賜されたものだ。
研究棟は10階、地下も2階ある。
(正直、研究棟を見た時は驚いたよ。これほどの高さ、絶対にいらないと思った。でも……)
現在、地下合わせ12階全てを有効的に使用していた。
結局は使っている、という事だ。
各階に研究課題を定め、進めている。
課題の内容は、それぞれの系統の魔法研究である。
攻撃系・防御系・空間系など色々だ。
私の助手にはディルジアがいるのだが、その他十数人、研究員として手伝ってくれている。
学園の生徒達なのだが、是非研究棟で私の手伝いがしたいと言われたのだ。
断る理由もないので承諾した。
(本当は50人近く私の所へ来たのだけれど、そんな人数で迫られても困るから、魔法の腕・素質を見極めて引き抜いたんだよね…。)
そのせいか、今や研究棟に出入りする者はある意味特別扱いをされた。
『学園が』特別扱いをしている訳では無いが、生徒達の間ではそうなっていた。
分かりやすい部分で言うと、廊下を歩く際に他の生徒が道を譲る。
避けられているのではなく、好意で道を譲ってくれているようだった。
(目を輝かせて見られるのも、いい加減うんざりしてきたよ……。さて、それはおいておくとして、何?この状況。)
研究棟最上階。
私専用の階だ。
その他の者が入るには、私かディルジアと共に入らなければならない。
そして眼前では、攻略対象5人&ユリエル達令嬢3人が、楽しそうに談笑している。
(ここ、私の研究室だよね?もう1回言っておこう。何?この状況。研究捗りませんけど?!)
私が他の階の研究状況を確認してまわっている間に、ディルジアが招き入れていたようだ。
「おっ、ヴァリフィアが来ましたよ。」
エフェンが私の姿に気付き、皆に知らせた。
一斉に私の方を振り向く。
「ヴァリフィア、貴女も一緒に。」
「殿下……何をなされているので?それに研究員以外は、この棟に入れないでしょう?」
「それなら、私がこっそりと連れてきましたよ。他の研究員達に見つからないようにね。見つかると厄介な事になりそうですし。」
「はぁ~。厄介な事になると分かっておられるのでしたから、もう少し考えて行動して下さい。研究も進まないではありませんか。」
「あの…ヴァリフィア様。お邪魔……でしょうか…。」
ミエラが放った言葉を聞いて、皆は押し黙る。
それも俯き加減で。
何だかこちらが申し訳なくなってくる。
「気にしないで。元はと言えば、殿下がなさった事だから。」
「え、私のせいですか?」
「無論です。それ以外ないでしょう?」
(何を惚けているのやら。ディルジアが原因以外にないでしょうが!)
結局、この日は研究をせずに会話を楽しんだのだった。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
1,073
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる