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何をしているのでしょう?

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色々あったが、1年が経った。
私は王立フルシーネア学園・高等部2年となった。
そして今、私は学園の敷地内にある研究棟に居る。
昨年国から下賜されたものだ。
研究棟は10階、地下も2階ある。


(正直、研究棟これを見た時は驚いたよ。これほどの高さ、絶対にいらないと思った。でも……)


現在、地下合わせ12階全てを有効的に使用していた。
結局は使っている、という事だ。

各階に研究課題を定め、進めている。
課題の内容は、それぞれの系統の魔法研究である。
攻撃系・防御系・空間系など色々だ。
私の助手にはディルジアがいるのだが、その他十数人、研究員として手伝ってくれている。
学園の生徒達なのだが、是非研究棟で私の手伝いがしたいと言われたのだ。
断る理由もないので承諾した。


(本当は50人近く私の所へ来たのだけれど、そんな人数で迫られても困るから、魔法の腕・素質を見極めて引き抜いたんだよね…。)


そのせいか、今や研究棟に出入りする者はある意味特別扱いをされた。
『学園が』特別扱いをしている訳では無いが、生徒達の間ではそうなっていた。
分かりやすい部分で言うと、廊下を歩く際に他の生徒が道を譲る。
避けられているのではなく、好意で道を譲ってくれているようだった。


(目を輝かせて見られるのも、いい加減うんざりしてきたよ……。さて、それはおいておくとして、何?この状況。)


研究棟最上階。
私専用の階だ。
その他の者が入るには、私かディルジアと共に入らなければならない。
そして眼前では、攻略対象5人&ユリエル達令嬢3人が、楽しそうに談笑している。


(ここ、私の研究室だよね?もう1回言っておこう。何?この状況。研究捗りませんけど?!)


私が他の階の研究状況を確認してまわっている間に、ディルジアが招き入れていたようだ。


「おっ、ヴァリフィアが来ましたよ。」


エフェンが私の姿に気付き、皆に知らせた。
一斉に私の方を振り向く。


「ヴァリフィア、貴女も一緒に。」

「殿下……何をなされているので?それに研究員以外は、この棟に入れないでしょう?」

「それなら、私がこっそりと連れてきましたよ。他の研究員生徒達に見つからないようにね。見つかると厄介な事になりそうですし。」

「はぁ~。厄介な事になると分かっておられるのでしたから、もう少し考えて行動して下さい。研究も進まないではありませんか。」

「あの…ヴァリフィア様。お邪魔……でしょうか…。」


ミエラが放った言葉を聞いて、皆は押し黙る。
それも俯き加減で。
何だかこちらが申し訳なくなってくる。


「気にしないで。元はと言えば、殿下がなさった事だから。」

「え、私のせいですか?」

「無論です。それ以外ないでしょう?」


(何を惚けているのやら。ディルジアが原因以外にないでしょうが!)


結局、この日は研究をせずに会話を楽しんだのだった。
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