痕
一度諦めたひとだから、二度目はどうしても諦められなかった。
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このはなしって、美里さんにはめずらしくハピエンなんですけど、そうなったのは、翔真くんていう人物がいて、亮輔くんを責めてくれたからですよね。
「自分が悪い」と自己完結して、「自分さえ我慢すれば」と思うのは、結局他者に対して一番不誠実な態度なのだというのは、けっこうそういう人間だった自分の若かりし頃を思って思うことです。否は自分にあるのに先に「ごめん」と言われたら、そりゃ「そういう態度が気に入らない」と逆ギレかますしかないですよ。
関係って、どんなに歪に見えても当人同士が「こいつはこういう奴だしなー」と納得してたら成り立つし、でもそれを成立させるお互いの温度は、不安とか周囲の環境とかでも変わるんだから、相手をちゃんと見ないと駄目なのに、美里さんちの皆さんは、それ苦手だよね、と思います。
このハピエンを成立させるのが、「大切な人を失うのはつらい」という、慎一郎さんの大人の経験値なのがなんというか。
「それしかできない気持ちは痛いほど分かるけど、時には頑張ることも必要だよ」とオバチャンは思います。悲しくてもつらくても生きていれば人生は続いていくし、別れた人とまた出会うこともあるけど、失ったものを思うことは、やっぱり寂しいことなので。
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