第一皇子付き代筆係ですが「知り過ぎた」と殺されかけ、第二皇子のお手付きとなって生き延びました。

 代筆係ランセツが夜半、第一皇子の命により書かされた手紙は、ただの季節の挨拶などではなかった。
 そこに込められていたのは――ある貴族の暗殺命令。そして、ランセツはそれに気づいてしまう。

 気づいた瞬間、命のカウントダウンが始まった。
 逃げ場のない城中……唯一手を伸ばしてくれたのは、第一皇子と敵対する第二皇子ケイエンだった。

「この娘、俺の妾とする」

 それは、命を救うために結ばれた仮初めの関係――。

 書を極めたばかりに死地へ陥った少女と、冷酷な兄を嘲笑う弟。
 宮中で繰り広げられる、命懸けの“筆”の駆け引き。
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