幼なじみ狼獣人の狂愛ー甘い檻ー
柔らかな風が吹き抜けると同時に、可憐な黄金色の羽毛がふわりと舞った。
カナリアの獣人、ルチア。
眩しいほどの金髪は太陽の光を抱き込んで輝き、絹のように滑らかな肌と、宝石のように澄んだ翡翠色の瞳を持つ彼女は、誰もが振り返る絶世の美女だ。
人種や性別を問わず、誰にでも惜しみない笑顔を向ける彼女の周りには、いつも自然と人が集まっていた。
「やあ、ルチアちゃん! 今日も綺麗だね。これ、持っていきなよ」
果物屋の店主が笑みをこぼし、熟した果実を手渡す。
ルチアが嬉しそうに翼を少し羽ばたかせ、礼を言おうとしたその瞬間――。
スッと、彼女の背後に静かな影が落ちた。
「……ルチア。あまり無防備に近づくなと言っているだろう」
低く、氷を溶かした水のように静かで美しい声。
振り返るまでもない。
ルチアの幼馴染であり、この街の警備隊でも一目置かれている狼の獣人、ヴォルフだった。
銀灰色の毛並みを思わせる端正な髪に、鋭くも知性的な切れ長の黒瞳。
すらりと伸びた長身と無駄のない立ち姿は、立っているだけで周囲の空気を引き締める。
カナリアの獣人、ルチア。
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