短編集〜現代文学〜
『萌芽』
児童養護施設にて保護されている17歳の少年、比良暖斗は過去の経験から女性に対し嫌悪の念を抱いていた。だけど、そんな彼に対してもいつも明るい笑顔で声を掛ける女性がいて。当施設にて保育士を務める20代半ばの女性、早霧奏多で。そして、そんな彼女に対しても暖斗は無愛想に応じるのみで。
すると、暖斗の入所からおよそ一年――卒然、当施設を退職し去っていく奏多。いつも明るく優しい奏多との突然の別れに、施設全体が悲しみに包まれる。
だけど、暖斗にとってそれ以上の驚愕が。と言うのも、施設を去った奏多が、どうしてか暖斗へとたびたびアプローチを掛けるようになってきて――
『恵まれた僕の責務』
中学2年生の少年・京馬の7歳上の姉・香織は生来肺に難病を抱え、両親から甚く心配され深い愛情を注がれてきた。一方、何の病気もなく健全な身体で生を享けた京馬は、幼少より両親から不遇な姉を支え助けるよう言い聞かされてきた。それが、恵まれた身体で生まれた人の責務なのだと。
すると、そんなある日のこと。卒然、香織の肺が酷く悪化し命の危機に――
『1本の缶コーヒー』
大学3回生の男子学生、黒川葉雪は鬱々と日々を送っていた。新聞奨学生として、ほぼ毎日朝刊と夕刊の配達――そして、その合間に学校という日々は、彼の心を酷く苛みもう辞めたいと思っていた。
すると、そんなある朝のこと――配達を終えた後いつも休んでいる公園のベンチを通ると、その隅に映るは1本の缶コーヒー。そして、そこには1枚のメモ用紙が添えられていて――
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すると、暖斗の入所からおよそ一年――卒然、当施設を退職し去っていく奏多。いつも明るく優しい奏多との突然の別れに、施設全体が悲しみに包まれる。
だけど、暖斗にとってそれ以上の驚愕が。と言うのも、施設を去った奏多が、どうしてか暖斗へとたびたびアプローチを掛けるようになってきて――
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すると、そんなある日のこと。卒然、香織の肺が酷く悪化し命の危機に――
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