月と二人の勇者
気づいたら――私は“ゲームの中のダークエルフ少女”になっていた。
普通の女子高生・佐藤月(ルナ)。
オンラインゲームが大好きで、昨夜も徹夜で遊んでいたはずなのに……
目を覚ますと、そこは見知らぬ森。
しかも自分の姿は、ゲームで使っていたダークエルフのアバターそのものだった。
理由もわからないまま、この世界で仲間ができ、戦いに巻き込まれ、
いつの間にか“勇者の相棒”と呼ばれるようになっていた。
――そして今、私は敵の幹部との死闘の最中にいる。
圧倒的な力を前に、何度も死にかける私を救ってくれたのは、
いつも隣に立ってくれた勇者だった。
……そのはずだった。
戦いの最中、勇者は静かな無表情で私を見つめ、
次の瞬間――その剣は、私の胸を貫いた。
裏切り?
それとも、何か理由があるの?
血に染まる視界の中、走馬灯のように蘇る記憶。
出会い、笑顔、戦い、そして勇者と歩いた日々。
これは、
“勇者に殺された少女”が紡ぐ、もう一つの物語。
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