転生したのに才能に恵まれず生活できないのでスマホで代用品探します。
これは、私の次の物語である。
鉄・血・影・光・夢によって均衡を保つ世界。
血の契約を司る王国に、一人の王女が生まれた。
王族は必ず赤い髪を持って生まれるはずだったが、その赤子の髪は闇のように黒かった。
「厄災だ」
そう囁かれ、彼女は名すら与えられぬまま王城の奥へ隔離される。
王族の血は確かに流れている。だが、契約は歪み、属性魔法もほとんど使えない“不完全な存在”。
やがて王国は彼女を守ることを諦め、追放という形で世界から切り捨てた。
――生きるために、名を持たないまま。
赤子として転生した彼女は、前世の記憶を持っていた。
冴えない二十八歳のOL。生活能力皆無。
彼女が持っていたのは、
「スマートフォン」と「鑑定スキル」だけだった。
火も、水も、風も、雷も使えない。
護身の術を持たぬ彼女は、スマホで知識を検索し、鑑定でこの世界の素材を見極め、
独自の“武器”を生み出す。
それは剣でも魔導具でもない、異質な遠距離兵装――
血の契約を動力源とする、彼女だけが使える“銃”。
撃つたびに命を削り、血が尽きれば二度と引き金は引けない。
それでも彼女は、生きるためにそれを握る。
名を問われれば、彼女はこう答えた。
「……旅人です」
王国を持たぬ者として、五つの国を巡る旅。
鉄の秩序に拒まれ、光の信仰に裁かれ、影に狙われ、夢の国で真実を垣間見る。
これは、
名を奪われた少女が、
力なきまま世界を歩き、
最後に“自分自身の名”を選ぶ物語。
厄災と呼ばれたその存在は、
やがて世界に問いを投げかける。
――力とは、血か。
――名とは、誰のものか。
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――力とは、血か。
――名とは、誰のものか。
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