生徒会長閣下は多忙につき、令嬢の私とはなかなか会ってくれませんが......
名門アシュベル侯爵家の令嬢、クラリス・アシュベル。
春の朝、編入生として馬車に揺られ、王都の社交と学問の殿堂「セレスティア王都学院」の門をくぐった。
そこで出会ったのは、学院の象徴ともいえる高等部生徒会長――ユリウス・ディアクロフ公爵家嫡男。
完璧な成績、品格、容姿を備えながら、必要以上に感情を見せないその人は、どこか懐かしい面影を宿していた。
さらに、生徒会に所属する中等部3年のカミル・モンテリオ。幼い頃から顔見知りの彼は、快活で人懐っこく、からかい混じりにクラリスを「お嬢様」と呼ぶ。
二人の異なる距離感の中で、クラリスの学院生活はゆっくりと色を帯びていく。
補助員として生徒会に関わる日々は、華やかな舞踏会や学園祭の準備、社交界の噂といった出来事で彩られる。
時に距離が縮まったかと思えば、ユリウスは忙しさの中ですぐに視界から消えてしまう――そんな“すれ違い”の連続。
婚約者の噂、家同士の思惑、そして胸の奥に芽生える感情――それは恋なのか、それとも憧れなのか。
クラリスはまだ、自分の答えを知らない。
令嬢らしい気品と理想を胸に、
時に立ち止まり、時に踏み出しながら、
「会長閣下」と呼ばれるその人の隣に近づくための物語。
華やかな学園と社交界を舞台に、すれ違いと運命が織りなす王道令嬢ストーリー。
――この視線の意味を知る時、物語は最も眩しい瞬間を迎える。
春の朝、編入生として馬車に揺られ、王都の社交と学問の殿堂「セレスティア王都学院」の門をくぐった。
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