あなたにおすすめの小説
ワシの子を産んでくれんか
妻に先立たれ、息子まで亡くした老人は、息子の妻である若い未亡人と二人きりで古い家に残された。
「まだ若い、アンタは出て行って生き直せ」――そう言い続けるのは、彼女の未来を守りたい善意であり、同時に、自分の寂しさが露見するのを恐れる防波堤でもあった。
しかし彼女は去らない。義父を一人にできないという情と、家に残る最後の温もりを手放せない心が、彼女の足を止めていた。
昼はいつも通り、義父と嫁として食卓を囲む。けれど夜になると、喪失の闇と孤独が、二人の境界を静かに溶かしていく。
ある夜を境に、彼女は“何事もない”顔で日々を回し始め、老人だけが遺影を直視できなくなる。
救いのような笑顔と、罪のような温もり。
二人はやがて、外の世界から少しずつ音を失い、互いだけを必要とする狭い家の中へ沈んでいく――。
専業主婦十年、夫と息子に「何もしてない」と言われたので、自分の名前で稼ぐことにした
「お母さん、何もしてないじゃん」
小学四年生の息子に言われた。翌朝、夫も言った。そっちは家にいるだけだろ、と。
専業主婦十年。渡される生活費は白い封筒の月3万円。家の通帳は見たこともない。
期限切れのファンデーションを塗り、フォロワー48人のアカウントに写真を上げた。「ダメ出しお願いします」。止まらない通知の中に、短い返信が一つ。
――ひとつずつでいいよ。
早朝の新聞配達に、時給1200円の品出し。夜は簿記の参考書を開いた。額面22万円の雇用条件通知書。初めてのPR案件は、2万5千円。
その秋、夫が昼に誰と会っているかを知った。離婚届は12月24日。
一年後、私の会社の月商は500万円、フォロワーは200万人。港区のタワーマンションの鍵は、私の名前で受け取った。
「家にいるだけだろ」と言った人が、その数字を口にする番が来る。
この物語は、法律・法令に反する行為を容認・推奨するものではありません。
全9話。
好きな人に『その気持ちが迷惑だ』と言われたので、姿を消します【完結済み】
「正直、貴女のその気持ちは迷惑なのですよ……この場だから言いますが、既に想い人が居るんです。諦めて頂けませんか?」
「っ――――!!」
「賢い貴女の事だ。地位も身分も財力も何もかもが貴女にとっては高嶺の花だと元々分かっていたのでしょう?そんな感情を持っているだけ時間が無駄だと思いませんか?」
クロエの気持ちなどお構いなしに、言葉は続けられる。既に想い人がいる。気持ちが迷惑。諦めろ。時間の無駄。彼は止まらず話し続ける。彼が口を開く度に、まるで弾丸のように心を抉っていった。
******
・執筆時間空けてしまった間に途中過程が気に食わなくなったので、設定などを少し変えて改稿しています。
「君を愛することはない」と毎日言われたので、離縁の日だけは聞きに行きませんでした
「君を愛することはない」 夫にそう言われながら、セシリアは一年間、二人分の夕食を用意して待ち続けた。 けれど、婚姻を継続するか決める前夜、夫は最後の約束まで破り、幼なじみと観劇へ出かけてしまう。
翌朝、セシリアは夫の書斎を訪ねず、不更新届を提出した。 慌てて差し出された更新証書にも、もう署名はしない。
私を待たせたあなたを、これ以上待つつもりはありません。 冷遇された妻が離縁を選び、自分の暮らしと新しい恋を手にする。
ママと中学生の僕
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。
「先に寝ていていい」と言われたので、夫の帰りを待つのをやめました
王宮勤めの夫は、帰宅が遅い。
私はいつも居間で本を読みながら夫を待ち、帰ってきた彼と少しだけ話をしてから眠る。それが、いつの間にか毎日の習慣になっていた。
けれど、ある晩、
「君まで付き合う必要はない。先に寝ていていい」
夫にそう言われた。
確かに、私が起きて待っている必要などない。食事も湯も、使用人たちがきちんと用意してくれる。
だから、その日から私は夫の言葉どおり、先に休むことにした。
ただそれだけのことだったはずなのに、夫の様子が少しずつおかしくなっていく。
ログインすると感想の投稿ができます。