救済ルートは一体どこにあるのだろうか?

 あるRPGに夢中になっていた主人公――和村月弥。
 人生最高のゲームだと評するも、月弥にはどうしても納得できないことがあった。
 それは、ゲーム内の登場人物であり、主人公のライバルでもある悪役キャラについて。
 この悪役キャラだが、どのルートにおいても最終的には悲劇的な結末で終わってしまうのだ。
 しかし月弥は、この悪役キャラに込められた魅力に惹かれ、どうにか救済ルートがないか様々な攻略法を試すが、結局見つからなかった。
 だがある日、すべてのエンディングルートを辿った月弥に、それまで見たことのないゲーム画面が出現する。
 そこには、新たな物語を作るか否かという選択肢が刻まれていた。
 月弥は、それこそ悪役キャラを救うストーリーに違いないと、迷うことなく再度ゲームを始めようとする――が、次に気づいた時には、何故か牢獄みたいな無機質な小部屋の中にいた。
 そこでふと鏡を見つけて覗き込んでみると、そこにはありえない姿をした自分が立っていた。

「まさか……冗談だろ。俺が…………俺が――――ワッツになってるなんて……!?」

 そう、どういうわけか、月弥はついさっきまでやっていたゲームの悪役キャラ――ワッツとして転生していたのだ。
 この先、いかなるルートにおいても悲劇に見舞われるワッツを知っている月弥は、何とかそのバッドエンドを回避すべく、ゲーム知識を活かして、努力を積み重ね、救済ルートを模索していくのである。

―連載中―
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