定まれる身の果つるところ~陶義隆、忠義の果てに~

陶晴賢は、大内義隆と兄弟のように育ち、幼なじみであり忠臣だった。
主君を補い、大内家の軍事を支え続けた彼は、やがて文に耽溺する義隆に戸惑いながらも、その代償を自らの剣に引き受けようとする。

だが義隆の理想は、次第に現実から乖離していく。
月山富田城での無謀な遠征、文治派の台頭、政権の混乱……そのすべてが、晴賢にとって「忠義に殉じること」そのものへの疑念へと変わっていく。

やむなく起こした軍事行動は、主君の死という最悪の結果を招く。
晴賢は自らの行動が忠義だったのか裏切りだったのか、答えを得られぬまま、大内家再興を図るも支持を失い、やがて毛利元就との最後の決戦、厳島の地へと向かう。
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