わたしを振った人はみんな、うちの医院に運ばれてきます
早瀬那津、下町の八百屋の三女。住み込みの看護婦見習い。
愛嬌があって、先輩にも患者にも可愛がられて、「いい子なんだけどねえ」と言われる。それなのに、男運だけがない。
那津には、人に言えない鼻がある。嘘の多い人からは、腐りかけの花のような甘い匂いがするのだ。分かっているのに、声をかけられると浮かれてしまう。
神保町で出会った帝大生。銀座でソーダ水を約束した、その夜――彼は喉を掻きむしりながら、担架で医院に運び込まれてきた。
医者には見えない病。那津にだけ匂う因縁。無愛想な薬局生・有馬は、なぜかその鼻を見抜いている。
元カレ、勝ち組の友人、先輩の婚約者。わたしを振った人も、笑った人も、みんなうちの医院に運ばれてくる。那津は手を下さない。ただ匂いを嗅ぎ、本当のことを言わせるだけ。
※復讐はしません。看取る側から見た、大正あやかし連作ざまぁ。全二十八話、毎日十二時更新。
愛嬌があって、先輩にも患者にも可愛がられて、「いい子なんだけどねえ」と言われる。それなのに、男運だけがない。
那津には、人に言えない鼻がある。嘘の多い人からは、腐りかけの花のような甘い匂いがするのだ。分かっているのに、声をかけられると浮かれてしまう。
神保町で出会った帝大生。銀座でソーダ水を約束した、その夜――彼は喉を掻きむしりながら、担架で医院に運び込まれてきた。
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元カレ、勝ち組の友人、先輩の婚約者。わたしを振った人も、笑った人も、みんなうちの医院に運ばれてくる。那津は手を下さない。ただ匂いを嗅ぎ、本当のことを言わせるだけ。
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