飛べないハーピィと奴隷エルフと、元帝国兵の俺──砂上を行く運び屋三人組
かつての大戦によって、世界の大地は果てしない砂漠へと化した。
今なお、その乾ききった大陸では――二つの国家が戦火を交えている。
ひとつは「ケキ王国」。人間こそが唯一の正統種と信じ、獣人やハーピィなどの異種族を〈亜人〉として排除する人間至上主義の国家。
もうひとつは「ローレーロニア帝国」。亜人差別に反発し、理想の共存を掲げて戦争を正当化しているが、その裏には別の思惑が渦巻いている。
世界に散らばる異種族の中でも、エルフは特に警戒されていた。
その知性と魔力の高さゆえに「脅威」とされ、奴隷や監視対象として扱われているのだ。
そんな世界の片隅で――一隻の砂船が、熱砂を駆ける。
元・帝国軍の砂船操縦士「クロウ」。
今は軍を抜け、砂漠を旅する“運び屋”として生きている。
彼と共に旅をするのは、二人の仲間。
エルフの少女「ロクロク」。無邪気で好奇心旺盛、少し天然な性格だが、砂船の整備技術は一流。
ハーピィ族の少女「ミリィ・カレラ」。寡黙で感情を表に出さないが、飛べぬ翼の代わりに、強靭な脚と鋭い蹴りで仲間を守る。
三人は、運び屋として砂漠を旅しながら、各地の依頼に応えていく。
だがその先で、否応なく帝国の陰謀と、世界を揺るがす戦火に巻き込まれていくのだった――。
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