悪役令嬢の侍女でした
伯爵令嬢セラフィーナ・ヴァレンティアの専属侍女ミラは、八年間、主人にすべてを捧げてきた。
セラフィーナは、誰からも愛される清廉な令嬢で、やがて聖女に選ばれるだろうと、王都中が彼女を称えていた。 ミラも、誰より近くで主人を慕っていた。
セラフィーナは、平民の自分を伯爵家へ引き取り、病気の弟に薬を与え、読み書きまで教えてくれた恩人。
けれど、それはすべて偽りだった。
王国では、神や精霊から与えられる特殊な力を《祝福》と呼ぶのだが、祝福を持たなかったセレフィナは、聖女になるため、孤児や奴隷から祝福を奪う禁術を繰り返していたのだ。
そして、ミラの弟もその犠牲者の一人だった。
禁術の発覚を恐れたセラフィーナは、すべてをミラの犯行に偽装する。
ミラは、セラフィーナのスケープゴートだったのだ。
ミラは、十二人の子供を殺した魔女として捕らえられ、火炙りの刑に処される。
――次に目を覚ました時、彼女は十年前のヴァレンティア伯爵邸にいた。
その身体は、病によって六歳で死んだはずの伯爵家の次女、リリア・ヴァレンティアーーセラフィーナの異母妹だった。
まだ、誰一人殺されていない。
前世では手の届かなかった者たちを味方につけ、ミアはリリアとしてセラフィーナの計画を一つずつ先回りして潰していくことに。
「ずっと、仲のよい姉妹でいましょうね」
「もちろんです、お姉様」
――あなたがすべてを失う、その日まで。
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けれど、それはすべて偽りだった。
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