転生モブ子だけど冷飯おじさまを推してます!!
王太子による公爵令嬢フローラの断罪劇を目の前にした瞬間、伯爵令嬢コレット・フロアーズは前世の記憶を取り戻した。
ここは、前世で読んだ小説『花冠の乙女と銀の王子』――そして、その小説を原作にした乙女ゲームの世界。
けれどコレットはヒロインでも悪役令嬢でもない。
原作に名前すらあったか怪しい、ただのモブ令嬢だった。
物語はもうすぐ大団円。
ならば平穏に生きていけばいい。
……そう思ったコレットの目に飛び込んできたのは、ゲームで密かに推していたアルフレッド・ブランデル男爵だった。
三十六歳。地味で、爵位も低く、社交界では冷飯を食わされているおじ様。
けれど濃い茶髪に走る銀の筋を見た瞬間、コレットにはわかってしまった。
――推しがいる!!
嬉しさのあまり後を追ったコレットは、偶然にもアルフレッドが王の使者から秘密の依頼を受ける場面を目撃してしまう。
「王太子殿下の件」
「女の周囲を洗え」
「表立って動くな」
「お前にしか頼めない」
……え?
わたしの推し、もしかして原作の裏では悪役おじ様だったの!?
しかも翌日、アルフレッド本人がコレットを訪ねてきて――。
原作では何の役割もなかったモブ令嬢と、誰にも知られてはいけない過去を持つ冷飯おじ様。
これは、物語の片隅にいた二人から始まる、少し秘密だらけの年の差恋物語。
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