あなたに奇跡を贈りましょう

 薬は《奇跡》という名の神から与えられたギフトでしか作れない世界。
 ギフトを持つ者は聖者・聖女と称号を与えられ、日々人々のために神殿で薬を研究し、作り、病と対峙していた。

 ある日、ローレンツ男爵家の次女であり聖女でもあるミスティアは、神殿の中庭で自分以外の女と抱擁している場を目撃してしまう。
 もう何度目の裏切りか。ああ。でも彼しか自分を見てくれる人はいないから……。
 そう嘆くミスティアに、同年代の少女ティアが発破をかける。

「何度も許してはダメよミア。何度も許せば、ああいう男はつけ上がるんだから!」
「ミア、世の中には星の数ほど男がいるのよ。そしてその中に、ミアだけを見てくれる男がどれだけいることか! たとえ気の間違いだとしても、ミアから3度も目を逸らしている時点でもう終わりなのよ!」

 ―― 彼女の熱意に、説得に絆され。ミスティアは立ち上がる。



「ねえ。わたくし、あなたに贈り物があるの」



※ 第三者視点で書いています。
※ 前、中、後編のおおよそ3万字の短編を予定。
※ カクヨム、なろうにも公開中
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