王族兄妹は噂に事欠かない 〜クセ者公爵の仮面の下~
暴力王子と恐れられた王太子と、気難しく人を寄せ付けぬ王女がいた。
兄妹を巡る王都の風聞は、日々揶揄に満ちていた。
父王の死により開かれた、王位継承を決する王公会議。
そこで十一歳の王子を待っていたのは、諸侯による苛烈な洗礼であった。
「七年、我ら貴族に王としてのお姿を見定める期間を頂きたく存じます」
王位継承の影で蠢くのは、王女を巡る諸侯の思惑。
だが、そのことを知らぬ九歳の王女は、純粋に一人の男に恋をしていた。
「ルシが好き」
誰にも懐かなかった王女が、唯一心を許した人。
それは、自身の後見人である公爵だった。
王女と公爵の距離は、やがて王宮を騒がせる厄介な噂となる。
そして秘められた王女の想いは、王権を揺るがすほどの大きな問題へと変わっていく。
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