カフェと魔王とちんちくりんと世界征服
風の国アルス王国の王都でカフェ『エトワール』を営むエル・アーシグ。魔法が使えない「フル魔導士」である彼女は、『とある秘密』を抱えながら、「人間も魔族も身分も関係なく、誰もが平等に過ごせる空間を作りたい」という壮大な夢を抱いていた。
時には145cmという低身長が故にちんちくりんと言われたり!母親譲りの胸のデカさから男性客にダル絡みされたり!怒りと殴りたい気持ちをグッと堪えて平和な日常を送っていたあるどしゃぶりの大雨の日の事。
エルは店の裏で倒れていた大柄な男を助ける。しかし、その男の正体は人間を虫ケラ同然と嫌い、数々の厄災を振りまいてきた「厄災の魔王」ヴェルト・フィロガーだった。彼はいい加減な同僚の後始末と睡眠時間を大幅に削ってまでの過労により魔力切れを起こし、転移魔法を繰り返した末にエルのいるアルス王国に流れ着いてしまったのだった。
衝動的に助けた後、魔王の証である額の角(ツノ)を見てやってしまった感が内心募るエルであったが、目覚めたヴェルトは、人間嫌いであるにもかかわらず、エルを一目見た瞬間に運命を感じてーー
「回りくどいのは好きじゃねえから、単刀直入に言うぞ。おまえに惚れた。俺の番(花嫁)になってくれ」
「は………………………………はぁ‼︎⁉︎」
その申し出にエルは拒絶をするが、ヴェルトは魔力が回復するまでの二ヶ月間、彼女の心を射止めるため、正体を隠してカフェのバイト「レオン」として働くことを決意する。
「ヴェルトはどこまで人間の営みを知ってるの?」
「たぶん、おまえからすると何も知らない事と同義なんだろうが、俺達よりも強い家族意識や仲間意識があって居場所を守りたいと思う本能がある。そして魔族よりも不便な体だからこそ生きる為に色々な方法で生き延びている。色々と言うのは俺が知る限りではセルフ魔導士やフル魔導士がそれぞれのやり方で戦ったり、食事というものや長い睡眠を摂ったりだ。 その程度だな」
「ホンッットになにも知らないじゃん……」
※表紙の絵はチャッピーに頼んだザッッックリとしたイメージですので、メインの2人以外の周りの人物はその通りの見た目ではありません!ごめんなさい!
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