天誅殺師 鴉ノ記
「この世に生まれてくるべきではなかった命など、ひとつもない」
ーーどこの誰が、そんな戯言抜かしやがった?
生きるに値しない人間は、ごまんといるさ。
人知れず、強者に蹂躙されて命を断ち、断たれた名もなき弱者達。しかし自身が犯した罪は己が身で償い、その魂には後悔と己の愚かさを刻み込まなければない。無惨に散った命が【うらみすだま】となり「暁に祈る巫女」と称される少女の夢に現れ、その怨念が彼女の白磁の如き白く透き通った顔に黒いカラスアゲハの蝶の紋様となって現れしとき、彼らは巫女の元に招集される。
夜のみ開く金色の双眸を持つ若き盲人の按摩「滅黯」(めつあん)
白き柔肌に刺青を背負う元夜鷹の莫連女にして、異様なまでの腕力を隠す鉄火伝法な美女「戀夏」(れんげ)
六尺の長身に大柄な体躯、信仰にも人にも裏切られ、すべてに絶望していながら、それでもまだ人を信じたいと心の奥底で願い続ける、隠れキリシタン浪人の「新谷」(あらや)
身の丈を遥かに越える五尺七寸の諸刃の大月鎌と、背中に仕込まれた、一対の翼形の連刃で斬り裂きの裁きを下す「暁に祈る巫女」の従者たる謎の男「鴉」(からす)
それぞれに重く暗い過去を持ち、花のお江戸は八百八町に隠れ潜む陰惨な悪に、彼ら「天誅殺師」達が、動く。
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