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今を楽しく
しおりを挟む俺はベッドの上で寝返りを打ちながらいろいろ考えた。今世の俺と前世の俺とは別人なのかなと考えてみた。魂が同じだとすると別人ではあるけれど、やっぱり繋がっているんだよなとか。
最近の俺はどうしてしまったのだろうか? 俺といえばおちゃらけていてのほほんとしていて猫助とおバカなことばかりして笑っている奴だったはずではないか。
今を楽しく明るく生きることができたらそれでいいのではないかな。そう思うのにいろいろ考えてしまうのはそういう年頃なのかもしれない。
俺はもう一度寝返りを打ちもふもふライフを楽しもうと思った。
そう余計なことは考えず気楽にこの世界の自分を楽しもうじゃないか。明日は猫助と何をして遊ぼうかな。俺は楽しい明日を想像し布団を頭からかぶり眠りについた。
翌朝、玄関でスニーカーを履き「いってきま~す!」と元気よく家を出た。
外に出ると今日も良い天気で太陽がキラキラと輝き綺麗な緑が溢れていた。
「猫太~おはよう~」
猫助が肉球のある手を振りこちらに向かって来る。
「おはよう~猫助~」
俺も元気よく手を振る。
「今日も良い天気だね。お昼は外で食べようぜ」
猫助は今日も弁当の入っている巾着袋を振り回した。
「相変わらずだよな。朝からお昼のことを考えているなんてね」
俺は弁当の入っている巾着袋を振り回している親友を見て笑った。コイツの頭の中はご飯しかないのかなと思うと毎度のことながら笑いが込み上げてくる。
「おい、猫太ってばどうして笑っているんだよ」
猫助は頬を膨らませ俺の顔を見た。
「だって、猫助の頭の中は食べ物で溢れかえっているんだなと考えると笑ってしまうだろう」
「まあね、俺の趣味は食べることだからね」
「うん、それも良い趣味かもな」
俺はにっこり笑いながら猫助と肩を並べて朝の通学路を歩いた。こんな平凡な毎日に感謝をしなくてはね。
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