ハゲ 小説一覧

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フサフサのハゲ

 ある冬の寒い日の昼前。  俺はフサフサのファーが付いたジャンパーを羽織って、牛丼屋へ出かけた。  そのジャンパーは、俺のお気に入りだった。牛丼は、俺の好物だった。  牛丼屋の店内に入り、俺は空いている席に腰掛けた。  正面を見ると、典型的なバーコード頭の男がいた。  その男は、丼の中の物(中身はこちらからは見えなかった)を豪快に、口の中へとかき込んでいた。 (ハゲ散らかしながら、喰い散らかしてんなぁ……)  俺はそんなことを思いながらも、優越感に似た何かを覚えていた。  俺が注文を選んでいる間に、その男は、丼の中身を食べ終えた。  丼の中身はわからなかったが、そこには米粒が残っていた。  農家の方に感謝しろ……などという無粋なことを言うつもりはなかったが、俺自身は、米粒を一粒も残さないように心がけていた。  それが最低限、料理を作ってくれた人へのマナーだと思っていた。  俺がこの男に、負けている要素は、何一つないように思えた。  はげちらかした男は、椅子の後ろに手を伸ばし、おもむろに、そこに置いてあった防寒着を、身につけ始めた。  次の瞬間、俺は息を呑んだ。  男が羽織ったのは、俺のとよく似たジャンパーだった。  だが、そのフードについているファーは、俺の物よりも圧倒的にモコモコで暖かそうだった。  「こいつ……俺より、フサフサだ!」  俺は思った。  俺の中の自尊心は、そこで砕けた。
ライト文芸 完結 ショートショート
感想数 0 文字数 567 最終更新日 2025.12.18 登録日 2025.12.18
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勇者がハゲたら武道家に転職した

息抜きに書いたファンタジーものです。 本当は長編の予定でしたが、短編で書いてみました。 あらすじもなにもタイトルでお分かりいただけるかと…… 美青年の勇者レオンが魔王に挑むが、負けてからの……ハゲ!
ファンタジー 完結 短編
感想数 0 文字数 2,353 最終更新日 2021.11.24 登録日 2021.11.24
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