性自認 小説一覧

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誰と寝ても、俺はいなかったー性のどこにも属せなかった俺が、たった一人にだけ愛された夜

誰と寝ても、快感はある。 でも、そのどれもに“俺”はいなかった──。   男としても、女としても愛されたくなかった。 けれど心と身体が「男性と女性の中間」にいる自分には、 触れられるたび、どこかが削れていくようだった。   中性的かつ美しすぎる容姿ゆえに“欲情されること”が常態だった楷(かい)は、 ある夜、同期の芳樹に“何もされなかった”ことで動揺する。 それは、壊されなかった夜。 ただ隣にいながら、なにも奪われなかった唯一の時間── その静かな優しさに、楷の内側が静かに崩れていく。   「してもいい」ではなく、「してみたい」と思った夜。 初めて快楽が“心ごと”感じられた夜。 それは、誰にもなれなかった楷が、初めて“誰かといた”と呼べる夜だった。 性別や役割ではなく、“今の君が素敵だ”と言ってくれる人に、 どうしようもなく、惹かれていく――。 “存在ごと抱かれること”を描いた、 静かで情熱的な大人のBL長編、開幕。
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鏡の中の偽証者

梅雨の明けた初夏。 転校生は前に立ち、淡々と自己紹介を始める。 「初めまして。鏡屋(かがみや)ユキと申します。今日からよろしくお願いします。」 頭を下げるのと同時に拍手喝采が起こる。 その音は三年二組の教室中に響いた。 「....」 彼女をひと目見て、十七夜月(かのう)ヒロはふと感じた。 まるで一輪の百合であるかのような、凛々しくて美しい「女の子」だと....。
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