移住者 小説一覧

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ファンタジー 連載中 長編 R15
白金色の宮殿、洗練された貴族社会、強大な銃術魔導師部隊を誇る「北方王国ルクセンローザ」。大陸の命運は、この国の手に握られていた。 その中心に輝く王位継承者―― 「白蓮の王女」オクタヴィア・ド・ルクセンローザ。その才知、カリスマ、揺るぎない政治力は、臣民から深く愛されていた。 だが、隣国ヴェルデンシュタールの南方に、巨大な光の柱が迸ったことで、すべては変わった。 その神々しいる爆発から現れたのは、遠き南方大陸より現れし肌黒き難民、四千九百九十九名。全員が記憶を失い、混乱の中を彷徨っていた。 ただ一人を除いては。 滅亡させられそうになってる南方王国・バイヤールの近衛兵であった男、 シェゴル・アデトクン――彼だけが、すべての記憶と真実を保っていた。 彼だけが知っている。 呪わしい瘴気〈大腐蝕〉が南方大陸を蝕み、 幾百万もの民が苦しんでいる。 そしてひとつの預言が告げる: 「首の後ろに六芒の刻印を宿す少年が殺される時、 腐蝕は終焉を迎える」と。 だが、ヴェルデンシュタールに集められた四千九百九十九人の難民の中に、 その少年はいなかった。 そして――時を同じくして 北方のルクセンローザの宮殿に、第二の光柱が轟いた。 王女オクタヴィアの私室に、ただ一人現れた肌黒き少年。 記憶を失い、首に微かな六芒の刻印を浮かべるその若者は―― アズビーケ・“アズ”・オカフォロニエ。 彼は何も知らない。 南方のことも、 預言のことも、 自らの存在が意味する惨劇のことも。 しかし、神官長がアズの姿を見た瞬間、顔面は蒼白となり、震えながら言い放った: 「この子こそ――  北と南、二つの世界の命運を決める存在です」 オクタヴィアは直ちにアズを自らの庇護下に置き、 剣術を教え、学問を授け、 そして側近の精鋭少女銃術魔導師部隊《フルール・アルケビュシエ》を 昼夜を分かたず彼の護衛に当たらせた。 ルクセンローザにとって、 アズは、やがて復活する運命の「北方の闇神」を打ち払う鍵、 “オーラの召喚主”たる預言の子である。 シェゴルにとって、 アズは、南方の故郷を滅亡から救うため、 殺されるべき預言の標的である。 ヴェルデンシュタールの貴族たちにとって、 難民たちは政治的脅威であり、 ルクセンローザが五千人全てを受け入れようとする思惑は疑念の的である。 だが、アズ自身にとって、 この全ては、ただ恐怖に満ちた謎でしかない……いったい、どんな運命が彼らすべてを待ち受けているのか......
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文字数 18,821 最終更新日 2025.12.15 登録日 2025.12.12
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