2st 小説一覧

4件
1

カッペは遂に大都市東京を走る?

バイクのエンジン音だけが、都会の喧騒から俺を切り離してくれる。 怒りの矛先を見失ったまま走り続けた夜、 俺は気づいてしまった。 追いかけてくるのはパトカーでも、過去の失敗でもない。 “救えなかった誰か”の影だった。 あの娘を守りたかった。 居場所を作ってやれると思っていた。 今度こそは! けれど、俺は最後まで救えなかった。 都会の光は眩しいのに、心の奥だけは暗いまま。 選ばなかった未来ほど鮮明に思い出せるのは、どうしてだろう。 バイクを降りれば現実が追いついてくる。 家の明かりを守りたい気持ちと、 故郷へ帰りたい衝動のあいだで揺れながら、 俺は今日も走り続ける。 これは、“怒り”の物語じゃない。 救えなかった誰かを抱えたまま、それでも前へ進もうとする男の物語だ。
2

上京したい田舎者 

【あらすじ】 「彼らが来たら道を譲れ――」 かつて、腕自慢のライダーたちにそう恐れられ、敬われた職業があった。 報道記事や未現像のフィルムを、時間内に必ず届けることに己の尊厳と命を懸けた男たち。 その名は「プレスライダー」 ただ渋滞は疎か、信号すら無い熊本の外れ、ド田舎で育った少年が目指したのは、その伝説のプロの世界だった。 時代は昭和の終わり。バイクブームが熱狂を迎える裏で、インターネットやデジタル化の足音がすぐそこまで迫っていた。 ネットが広がれば、この仕事に先が無いことなど分かっている。 それでも少年は、激動の東京へ飛び込んだ。これが、あの憧れた世界に挑める「最後のチャンス」だと信じて――。 滅びゆく時代の狭間で、愛車と共に首都高を、時代を駆け抜けた若者たちの、熱く切ないお仕事二輪戦記。
3

「夢を追うカッペ、都会のコンビニで夢へと動き始める。」

夢を追って田舎から上京した青年。しかし現実は厳しく、就職先では事故に遭い、 夢の入口にすら立てないまま深夜のコンビニで働く日々が続く。 中古のオートバイを探してバイクショップを巡っていた或るバイト明けの朝。 ふと立ち寄ったライバル店の駐車場で、紅い軽自動車が故障して動けずにいた。 その車に刻まれた“ある愛称”は、奇しくも彼の呼び名と同じ名を持っていた。 ただの偶然のはずだった。 けれど、その出会いが止まっていた彼の時間を静かに動かし始める。
4

過去からの挑戦状

私が見覚えの有る昭和、 私は見れなかった平成。 デジタル化に存在価値も、 尊厳すら浪が攫って行く。 人から人の手へと手渡す、 それしか方法が無い時代、 人々記憶から存在も消え、 徒花の様に忘れられた…。 僅かな狭間の様な時間の中、 強烈に輝きを放って消えた、 都会の闇に溶けてしまう…、 最初から存在しない様に…。 だが忘れないで欲しいんだ、 日々を壁となる時間に挑み、 誰に知られる事も無いまま、 数多の旅立って行った者達。 存在価値を喪い愛馬を降り、 大都会の中に溶けた者達…。 そんな猛者が存在した事を。
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