お代はきっちりいただきますわ 小説一覧

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庶民は恋人にできないですって。貴族に戻るヒモ様に、五年分のお代をきっちり請求いたします

下町で珈琲店『止まり木』を営むコレットは、五年間、働かない恋人ジェレミーを養ってきた。 ある日、彼のもとに伯爵家の迎えが来る。「実は俺、貴族の息子だったんだ。世話になった礼に、望みを何でも叶えてやる。ただ――貴族だから、庶民の珈琲屋を恋人にはできない」 コレットは笑顔で答えた。「では、五年分の生活費をきっちり清算していただきますわ」 金貨を受け取り、きれいさっぱりお別れ。――実は彼、半年前から貴族復帰を知っていて、「金目当てに縋られる前に」と近所のちょっと美人な女に乗り換え済みだったのだ。 そんな彼女に、五年間毎朝通ってきた常連の紳士が告げる。「ずっと、あなたが好きだった」――彼の正体は、王国鋳貨局を統べるルヴェリエ公爵。金の匂いに群がる人間しか周りにいなかった彼にとって、見返りひとつ求めず、たったひとりで店を切り盛りする彼女は、はじめて出会う種類の人だった。 晩餐会で元恋人に嘲られても、公爵は揺らがない。公爵母は彼女を溺愛する(「昔飼っていた犬のマローにそっくり」らしい)。そしてその夜、王弟大公が彼女の顔を見て杯を落とす。「……二十三年前に消えた、わたしの娘ではないのか」と。 お代も、幸せも、きっちり受け取る。下町の珈琲屋の、後味すっきり逆転ロマンス。
恋愛 連載中 短編
感想数 0 文字数 17,829 最終更新日 2026.08.29 登録日 2026.08.28
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