若さは減っても仕込みは増えますのよ 小説一覧
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三十六で離縁されましたが、今から本当の人生を始めますわ
十八で嫁いで十八年。伯爵家の台所と、季節ごとの仕込みを回してきたベアトリーチェは、三十六の春に「もう若くない」と離縁された。夫フロリアンの後妻は、二十歳の令嬢セリア。
ベアトリーチェは実家に戻らない。王都の下町に、季節の保存食の小さな店を開く。
伯爵家の台所は、彼女が十八年かけて作った「季節ごとの仕込みの順番」で回っていた。春に梅を漬け、夏に果実を煮て、秋に根菜を塩に沈め、冬に備える。後妻はそれを知らず、冬に備えた仕込みを、全部、飛ばした。春、伯爵家の食卓は貧しくなり、客が来なくなる。誰も呪っていない。仕込みは、時間が正直なだけ。
一方、下町の店には、樽職人の男爵ユーグが、樽を届けに来る。「三十六? 樽なら、いちばんいい味の出る年だ」。
疎まれた長所が、正しく愛される場所で花開く。三十六歳のヒロインが自分の人生を始める、生活感×スカッと×自己肯定の令嬢ファンタジー、全8話。
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文字数 2,099
最終更新日 2026.09.09
登録日 2026.09.09
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