下校 小説一覧

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本当の春

僕たちは、自分を何と呼べば良いのかも分からない曖昧な存在で、それでも、出会いたいと願う一人がいて、それなのに、出会ってしまえば臆病になって手放す始末だーーー 高校入学に合わせて東京から引っ越してきた西山くんと、クラスに馴染めない浅田さんは、お互いの優しさを頼りに親しくなる。 北海道の本当の春の中、自然と始まった二人の下校時間は、穏やかで、優しい時間だった。 でも、恋とか友情だと断定しない、曖昧な関係を続ける二人には、当たり前のように噂が流れ始めてしまう。 本当の自分が何なのかも分からない不安定さは、穏やかな青春さえも奪ってゆく。
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踏切、踏み切れ。

あの踏切はゴールラインだ。
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風

「今日は風が強いね!」「なぁに?!聞こえない!!」「きょうは!かぜが!つよい!ね!」私はあぜ道を風に向かって全力で自転車をこいでいた。前を走る友のヘルメットから覗く髪の毛は今日の強い風でぼさぼさだった学校帰り。
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