SF 生存戦略 小説一覧
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――目が覚めると、姉の死骸は牡丹になっていた。
――桜になるつもりだった姉の死骸は、牡丹になっていた。
膨れ上がった高齢者人口と思想が、葬儀件数と種類の増加、費用の高騰を招いて幾年。
世に、死ぬと花になる薬が登場した。
インフルエンサーが葬儀で大輪の薔薇に変化する様子が放映されると、こぞって人々は花になり、街は植物で覆われていく。
※残酷な表現があります。
ある種のディストピア、ディストピア飯に近い話です。人一人というより、大きなくくりで見た種の淘汰と存続でしょうか……(食物連鎖、肉体の死、文化、生への渇望としたたかさ……など)。ご注意ください。
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文字数 2,608
最終更新日 2026.01.05
登録日 2026.01.05
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オオカミ竜のジャックは、恵まれた体を持つ個体だった。兄弟達よりも早く卵から孵った彼は、真っ先に昆虫などを食い漁り、みるみる体を大きくした。また彼は狩りも上手く、兄弟達が群れで襲い掛かっても敵わなかった猪竜(シシ)を一頭で倒してみせた。
しかし、彼は本当は血生臭いことはあまり好きではなかった。本当はただゴロゴロぐうたらしていたかったのだ。なのにこの世界は彼をのんびりとはさせてくれなかった。恵まれた体を持ち狩りも上手かったかれは仲間達から頼りにされ、いつしか頼られる存在になっていく。
さらには、ボスにも勝ててしまい、その瞬間、彼がオオカミ竜の群れのボスとなってしまった。
ことここに至り、彼も観念したかのようにボスとして群れを率いていく。
なのに、過酷なこの世界は、彼を休ませてはくれなかった。彼らが生きている草原に生息していた草食動物達の間で疫病が広まり、数が激減。同じオオカミ竜の別の群れや、他の肉食獣らと餌の奪い合いが始まり、それに伴っての衝突も増えていく。
それでも十分な餌が確保できなくなったことで雌は卵を産まなくなり、老いた仲間は耐えずに飢えて死んでいく。
こうしてジャックは、決断を迫られるのだった。
文字数 105,924
最終更新日 2022.09.18
登録日 2022.06.17
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