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『役立たずの《事故鑑定》で追放された俺、封鎖ダンジョンの管理人になる ~壊れた物の記憶が見えるので、死の迷宮を攻略していたら辺境都市が世界一
四十一歳の事故調査官・黒部修司は、若き勇者たちとともに異世界へ召喚された。
与えられた能力は、壊れた物に触れると破損の原因が断片的に見える《事故鑑定》。聖剣も魔法も使えない修司は「勇者召喚の余り」「壊れた物しか見られない役立たず」と笑われる。
ところが王都地下迷宮で大崩落が発生。修司は誰も気づかなかった二次崩落を予測し、百人以上を救い出した。
だが、彼が見つけた本当の原因は、王国上層部による違法採掘だった。
「この報告書に、事故だったと署名しろ」
「断ります。これは事故じゃない。起こると分かっていて、誰かが起こした」
命令を拒んだ修司は全責任を押しつけられ、七年前から封鎖されている辺境ダンジョンの管理人へ追放される。そこは歴代管理人が全員死亡した、帰還率ゼロの迷宮だった。
待っていたのは、命令違反で騎士団を追われた女騎士、酒浸りの老技師、平気で嘘をつく盗人少年、そして王都を憎む住民たち。
修司は彼らと喧嘩をしながら、避難路を作り、罠を直し、死者の出ない迷宮攻略を始める。地味な改善を笑われても、生還者が増えれば宿屋が開き、市場が戻り、廃墟だった町は大陸一の迷宮都市へ変わっていく。
やがて最深部で見つけたのは、この世界に存在しない日本語の事故報告書。
書いたのは、二十九年前に失踪した修司の父だった。
そして最後の一行には、こう記されていた。
――十二の大迷宮を壊し、世界そのものを終わらせようとしている者がいる。
勇者は魔物を倒す。事故調査官は、勇者が死ぬ原因を先に壊す。
これは役立たずと追放された中年男が、訳ありの仲間たちと世界一安全な町を作り、やがて壊れかけた世界そのものを修理する物語。
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ゲームの中の破綻した都市の市長になった
八年かけて育てた街が、たった六か月で破産した。
人口十八万四千人。都市財政ゼロ。
市庁舎前の広場には市民が押し寄せ、画面の外では冷めきったカップ麺をすすっていた。
それでも方法はあった。六か月前のセーブデータに戻ればいいだけだったから。
ところが、電源を切ったはずのモニターに見知らぬ一文が浮かんだ。
【都市を放棄しますか?】
冗談のつもりでNOを押した。
気がつくと、アルカディア市庁舎の市長執務室のど真ん中に立っていた。
窓の外には十八万人の「本物の」人々が生きていた。全部、自分が作った街――自分が壊した街だった。
ゲームでは街を作ればそれで済んだ。
ここでは、人々の人生に責任を持たなければならない。
※ロード(やり直し)はありません。与えられるのは情報と限られた権限、そして三十日というタイムリミットだけです。
※毎週月・水・金、破産寸前の都市のサバイバル記が続きます。
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