ファンタジー 戦争・政争・革命小説一覧

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守る為に、未来へ遺す為に彼らは屍を積み上げる。その未来に、きっと俺達は居ないから。 それでも俺は、屍を積み、血を浴びて、自由と平穏を望む。その未来に俺が立つ為に。 神界と下界の戦争、〈創世戦争〉の後に創られた世界。破壊神達の干渉から解放され、悠久の平和を手に入れたかに思われた。しかし〈創世の四英雄〉によって興された国の一つによって、太平は戦乱へと変わっていくのだった。  〈創世の四英雄〉の名を名乗ってはいけない。〈創世の四英雄〉のうち、二人が使っていた魔法を使えるとほざいてはいけない。彼らを侮辱してはいけない。だってまだ最後の英雄アレッサンドロが生きているのだから。  アレンは魔人の国、フェリドール帝国の常勝軍団の一角を率いる帝国十二神将の一人だ。母は帝国との戦争に敗れた国から攫われた奴隷。父は魔人という事が判明している他は不明。路地裏で喧嘩を売った相手を殺して金品を巻き上げる。そんな生活から抜け出せたのは、コーネリアスという魔人に拾われたからだ。  卑しい生まれのアレンだったが、誰にも言えない秘密が一つ。アレンは〈創世の四英雄〉の一人が使っていた時空魔法がどういう訳か使えた。時空の魔法使いアレッサンドロが興したフェリドール帝国は、〈創世戦争〉から十万年の時が経って尚アレッサンドロが在位中であるにも関わらずだ。  力を隠せば何事も無く生きて何事も無く死ねる、そう思っていた。しかしその出自が原因か、何処からかアレンの秘密が漏れたのか…アレンは謎の黒ローブ達に襲われ毒を受けてしまう。そんなアレンを保護したのは〈創世の四英雄〉の名、フレデリカ・ファルザード・パノチサナスと名乗る女だった。  フレデリカは現役軍人であるアレンを反帝国組織レジスタンス=プロテアのリーダーにしようとする。プロテアの現リーダーであるアーサーの取引…もとい脅しを受けて渋々ポンコツ軍団プロテアのリーダーを引き受けるアレンだが、戦争の規模はアレンの想定を遥かに上回っていく。  過酷を極める戦火の中、凍り付き麻痺していたアレンの心の中に何かが芽吹く。何故戦うのか、何故生まれてきたのか、そしてこの戦争の最果てに見える景色は何なのか、そこに自分は居るのか。芽吹いた言葉はアレンを揺さぶり縛り付け、切り刻む。
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文字数 320,103 最終更新日 2024.05.11 登録日 2024.01.17
─その国には悪魔が巣食っていた。 始まりは半年ほど前に遡る。高潔で公正な王と強力な貴族が支配する、とある国の怪事。その国で、誇り高き国王軍の兵士たちの失踪が相次いでいた。噂によると隣国に連れ去られたという。国王軍を内側から瓦解させ、隙をついて侵略する意図だと。─少なくとも、日々の生活で手一杯な庶民はそう信じていた。言いがかりをつけられた隣国も黙っている訳にはいかない。そして、各地で争乱という名の小競り合いが始まった。お互い、悪魔にも等しい内通者によって踊らされていることも知らずに。 さて、主人公アドリエンヌ・クレールは国で随一の劇団の看板を背負う人気女優。争乱勃発後も兵士たちを芝居で慰撫し、国王軍きっての「癒しの女神」と言われていた。 そんな折、アディの恋人で国王軍兵士エクトールが行方不明になったと知らされる。身を切られるような苦しみに耐え、アディは自らエクトールを探す旅に出る。 一方エクトールはといえば、後に刷新軍とされるリーダー・ベルトラン元帥の夫人・マノン女侯のもとにいた。優秀な戦士で、見目麗しいエクトールに女侯が敵ながら横恋慕していたのだ。 戦士としての能力に関しては、元帥も高く評価しており、洗脳を施し反乱分子として前線に送り込み国王軍を内側から疲弊させることを画策していた。 女優としての華やかな生活と訣別し、旅に出たアディ。 洗脳され、国の裏切り者とされてしまったエクトール。 二人の前に立ちはだかる女侯と、彼女に影のように纏わりつく老いた執事。 内通者は誰か? 一体なぜ争いを起こしたのか? こうして、四つ巴の戦いの火蓋が切って落とされた…
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文字数 31,565 最終更新日 2024.02.05 登録日 2022.06.11
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